Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
精神神経疾患の発症基盤としてのNMDA受容体の制御機構の解明を究極の目的として、以下のような研究を進めた。NMDA受容体は、同じイオン透過型であるAMPA受容体とは異なり、1価の陽イオンだけでなく、2価のカルシウムイオンも透過するという特性を有している。シナプスが高頻度で活性化すると、細胞内のカルシウムイオン濃度が大きく上昇し、種々のカルシウム依存性の生化学過程を調節する。その代表的な例として、シナプス伝達の長期増強が挙げられる。また、個体レベルでは、記憶・学習のような高次機能だけでなく、種々の精神神経疾患にNMDA受容体が関与していることも明らかになりつつある。その中でも、グルタミン酸と同時にNMDA受容体に対してコアゴニストとして作用するD-セリンが、統合失調症や不安障害に関与する可能性が示唆されている。本研究計画では、正常マウスやD-セリンの制御に関与する分子の遺伝子改変マウスを用いて、分子レベル、細胞・ネットワークレベル、さらには、個体レベルでD-セリンの生理機能を明らかにすることを目指し、以下のような成果を得た。海馬スライス標本のCA1領域において、錐体細胞よりホールセル記録を行い、NMDA受容体に対するD-セリンの効果を電気生理学的に検討したところ、シナプス内外でNMDA受容体に対する効果が異なることを確認した。また、関連分子の脳部位特異的遺伝子改変マウスの作製のための具体的な準備を進めた。さらに、D-セリン制御因子のノックアウトマウスにおけるシナプス可塑性の異常の有無を電気生理学的に検討した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Neurosci
Volume: 34(17) Issue: 17 Pages: 5927-5937
10.1523/jneurosci.1621-13.2014
European Journal of Neuroscience
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http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/NeuronalNetwork/Neuronal_Network/Index.html