Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
RNAポリメラーゼの最大サブユニットRpb1のC末端領域(CTD)は52回リピート(ヒト)するコンセンサス配列(YSPTSPS)がダイナミックなリン酸化修飾を受け、転写の開始、伸長と終結に関わる様々な因子をリクルートして転写過程に関わる。しかしその分子構造レベルの転写因子認識機構は未だ解明されていない。CTD分子構造レベルの知見は転写サイクルの統一的理解を飛躍的に進展させる可能性があり、その解明が求められている。本研究では、拡張アンサンブル法の一種であるマルチカノニカル分子動力学(McMD)法を活用してCTDの構造特性を詳細に研究した。McMDは温度を反応座標として有効ポテンシャルの構築によって構造探索能力を著しく向上させる手法であり、CTDのようなフレキシブルな構造を持つ分子の構造分布探索研究に必須の手法である。これまでの研究成果として1) CTDのMcMDシミュレーションを実施した。その解析結果から、リピート配列中の2,5,7番目のセリン残基のリン酸化によって局所的なベータ構造が誘起されて、結合因子のリクルートを制御する事を明らかにし、さらに2) CTD配列でセリン残基に続くプロリンのシス状態への異性化が局所的なベータ構造形成を強く抑制してCTD転写制御に関わる事を明らかにして、Pin1等のプロリン異性化酵素がCTDを介して転写制御に関わる事(リン酸化と異性化のクロストーク)を示し、成果を論文発表する(J.PhysChem.B 2014)等の研究成果をあげることができた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014 2013
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (9 results) (of which Invited: 2 results)
J. Phys. Chem. B
Volume: 118 Issue: 17 Pages: 4471-4478
10.1021/jp4101976