Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
転写因子Nrf2の恒常的活性化は肺癌の細胞増殖亢進に関与することがわかった。さらに、申請者らは活性型NRF2をもつ肺癌患者さんの予後が極めて悪いことを見出しており、肺癌において転写因子Nrf2の異常活性化による細胞増殖亢進は患者さんの予後と強く相関することがわかった。以上の知見から、転写因子Nrf2の恒常的活性化による細胞増殖亢進の作用機序が理解できれば、将来、この経路で働く因子を標的とした薬剤開発に応用でき、肺癌患者さんの生存期間の延長および死亡率の大幅な減少が期待できるのではないかと考えた。そこで、本研究は転写因子Nrf2の活性化に関与する因子の探索を行い以下の結果を得た。Haloタグを付加したNRF2蛋白質をHEK293T細胞に過剰発現させ、細胞内で複合体を形成させた。この細胞からNRF2蛋白質を部分精製し、ゲル濾過カラムで解析したところ、2Mダルトン以上の非常に大きな複合体を形成していることを見出した。そこで、この複合体をHaloタグアフィニティカラムおよびニッケルカラムを用いて精製し、質量分析器で解析を行った。その結果、その複合体にはクロマチンリモデリング因子SWI/SNF複合体とNRF2蛋白質の分解に関与するプロテソーム分解蛋白質複合体(TrCP複合体)が高濃度含まれていることを見出した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。