Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ビタミンD刺激による造血幹細胞の骨芽細胞系列への異常分化増殖が骨髄線維症における骨髄変化の本質である可能性を追求し、この骨髄移植しか根治治療のない疾患に対する骨代謝に注目した新たな治療法開発の礎とすることを当初の研究の目的として掲げた。前年度の研究にて、当初の仮説で高濃度ビタミンD刺激で造血幹細胞から分化するのは骨芽細胞系列の間葉系細胞と考えていたが、これが実は間葉系マーカーであるαSMAを発現する異常マクロファージであることが明らかとなっていた。最終年度には、一見一種類に見える骨髄線維芽細胞様細胞集団は、実は2種類の異なる細胞が入り組んだ状態で混在しており、一種類は先の造血幹細胞由来異常マクロファージ、もう一種類は本移植モデルのレシピエント由来の骨芽細胞前駆細胞であることが、免疫染色で明らかとなった。マクロファージは強力な骨芽細胞支持作用を持っている事が知られており、我々の確立している野生型未分化造血細胞をビタミンD受容体(VDR)欠損マウスに移植する際に発症する骨髄線維症モデルは、高濃度のビタミンDに曝された野生型造血幹細胞が骨髄線維症惹起病原性マクロファージに強制分化を起こし、これに刺激されたホスト由来骨芽細胞系列の増殖とそこからのコラーゲン線維の異常分泌と蓄積が骨髄線維症と骨硬化症を引き起こすことがほぼ確定した。このモデルにおける骨髄線維症と骨硬化症の発症を防ぐ事を目的として、移植後早期にクロドロネートリポゾームを投与する事でマクロファージを除去したところ、骨髄線維症と骨硬化症の発症を著明に抑制する事に成功した。これは、前述のシナリオを強くサポートする結果であった。現在、VDR-/-JAK2 Tg マウス骨髄を野生型マウスに移植した場合の骨髄線維症の重症度をVDR+/+JAK2 Tg マウス骨髄を移植した場合と比較して改善があるかどうか検討している最中である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013
All Presentation (1 results)