Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
作物においてケイ素は重要なミネラルであり、作物の病害や倒伏を防ぐ上で重要な役割を果たす。従って、植物体内でケイ素がどのように吸収・輸送され、そして蓄積されるのかを定量的に明らかにすることは、すぐれた収量安定性の品種開発などのために重要な課題であると同時に、近年その詳細化が求められている作物生長予測のための数理モデルの発展のためにも必須の課題である。本研究では、これまでの植物のケイ素の吸収・輸送に関わる分子生物学的な知見をもとに、数理モデルを作成し、また、作物体における濃度分布などのデータを統計的に数理モデルと融合させることにより、ケイ素輸送メカニズムの定量的に理解することを目的とする。本研究ではまず、拡散方程式系を用いて、植物の根におけるケイ素の吸収・輸送をシミュレートする数理モデルを作成した。次に、そのモデルを実験室内におけるイネの実験データと統計的に融合することにより、ケイ素の根における吸収を精緻に予測することができるモデルを開発することができた。さらに、このモデルを利用したシミュレーション実験の結果、ケイ素吸収においてイネの根に特有の二重のカスパリー線 (根の障壁の役割を担う機関) とケイ素輸送体の共役が重要な役割を果たしていることなど、イネにおいて高いケイ素吸収能が実現されているメカニズムが明らかになった。さらに、数理モデルをイネの節におけるケイ素の分配をシミュレートできるように拡張し、イネにおいて、ケイ素の吸収・輸送・分配をシミュレートすることができるモデルを開発した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本土壌肥料学会誌
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