Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
鳥の翼では柔軟かつ伸縮可能な翼面が羽根の微小な毛状構造の曲げ変形によって実現している。本研究では、柔軟かつ伸縮可能なフィルムの構造として、異方的に配向した微小なシワよって伸縮性と曲げ剛性を増加するシワフィルムを提案した。今年度は、市販の有限要素法ソフトウェア(ANSYS R15.0)を用いて、シワの波長と振幅が引張剛性に与える影響を調べた。その結果、振幅が増加すると引張剛性は指数関数的に減少することが分かった。また、曲げ剛性を断面2次モーメントから解析的に評価し、曲げ剛性は振幅・膜厚比の 2 乗に比例して増加することが分かった。たとえば波長 120 マイクロメートル、振幅 20 マイクロメートル、膜厚 5 マイクロメートル のシワフィルムの場合、引張剛性はシワが無い場合の 0.018 倍、曲げ剛性は 97 倍となる。このシワフィルムを手のひらサイズの小型羽ばたき飛行機の翼面フィルムに応用した。1 方向に配向させたシワフィルを用いて翼長 60 mm、最大翼弦長 30 mmの楕円翼を製作し、1 自由度の羽ばたき機構に取り付けて 24 Hz から 28 Hz で羽ばたかせ、翼面変形と平均揚力を計測した。翼のサイズと羽ばたき周波数はハチドリを規範として決定した。実験の結果、シワが無い場合と翼前縁に平行に配向させた場合は、翼面フィルムの後縁部が不規則に大きく振動するフラッターが見られた。一方、シワを前縁に垂直に配向させると翼後縁のフラッターは抑制され、翼面全体が前縁まわりにねじれて適切な迎え角を取った。また平均揚力は、シワなしと平行シワよりも 2 倍以上の大きさとなった。これによりシワによるフィルム剛性制御が羽ばたき翼の空力性能向上に有効であることが示された。成果は国内学会の招待講演で 1 件発表し、国際論文に 1 件が採択された(平成27年度掲載予定)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 2 results)
Bioinspiration & Biomimetics
Volume: 10