Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
原核生物は獲得免疫機構CRISPR-Casシステムを利用してウイルスの感染から身を守っている。Cmr複合体は6種類のタンパク質(Cmr1~Cmr6)とcrRNAからなるエフェクター複合体で、ガイド配列と相補的なウイルスRNAを分解する。今年度は、Cmr複合体の作動原理を解明するために、その機能構造解析を行った。まず、Cmr複合体を再構成し、標的類似体との複合体の結晶構造を決定した。その結果、Cmr複合体にらせん状の溝が形成され、そこにcrRNAが配置されていることが分かった。標的類似体は、この溝に沿ってcrRNAのガイド配列に相補的に捕捉されていた。crRNAのガイド領域と標的類似体は2本鎖を形成していたが、核酸の一般的な2重らせん構造とは異なり、ほどけたリボン状であった。これは、Cmr4が持つ特徴的なループ領域が、6塩基対ごとに2本鎖の間に割って入り、塩基対の形成を周期的に阻害しているためである。Cmr複合体は3分子のCmr4を含むため、ガイド領域と標的の2本鎖は3カ所で塩基対の形成が阻害され、標的RNAの構造が大きく歪んで不安定化していた。生化学的な実験から、Cmr複合体は6 nt周期でこれら3カ所を切断することが分かった。crRNAの5’側に存在するタグ配列はCmr3に認識され、複合体中で固定化されていた。このため、Cmr複合体はcrRNAの5’側から数えて一定距離にある14番目、20番目、26番目の塩基対の形成を阻害し、標的RNAを6 nt周期で切断する。crRNAのタグ配列はヌクレオチドの配列に依存してCmr3によって認識されていたが、ガイド配列とCmrタンパク質との間の結合は、ガイド部分の配列に依存しないことが分かった。したがって、Cmr複合体は、任意のガイド配列をもったcrRNAと結合でき、さまざまな標的RNAを捕捉し分解することが明らかとなった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2013 Other
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results, Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)
J Mol Biol
Volume: 427 Issue: 2 Pages: 259-273
10.1016/j.jmb.2014.09.029
Molecular Cell
Volume: 58 Issue: 3 Pages: 418-430
10.1016/j.molcel.2015.03.018
130005115744
Acta Crystallographica Section F
Volume: - Issue: 6 Pages: 735-740
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J. Mol. Biol.
Volume: 425 Issue: 20 Pages: 3811-3823
10.1016/j.jmb.2013.03.042
Acta Crystallogr. Sect. F
Volume: 69 Issue: 5 Pages: 585-587
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http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150424/pr20150424.html