Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
今年度は以下の3課題に取り組んだ。1) ストレス応答を抑制するタンパク質ホスファターゼRsbXの構造機能解析:この構造は既に得ていたが、Mnイオン2個を含む活性部位が壊れていた。さらに活性型構造と他のイオンに置き換えた構造解析と活性測定を行って、構造機能相関を調べた。類似構造と比較して特徴的なのは、Mnクラスタの配位子として4つのAsp側鎖に加えて、主鎖のカルボニル酸素2つが存在する点である。後者は易動性のループ構造上にあり、異なる結晶系での解析から3種類の構造が得られた。そのうち2つはMnが1つしか存在しない不活性型構造であり、ループ構造の変化に由来する活性制御機構の存在を示唆する。実際、培地のMn濃度がストレス応答に関わるという報告もあり、この分子機構との関係が示唆され、これらを報文として報告した。2) 関連タンパク質の調製:巨大分子Stressosome (RsbRS)複合体については、安定した試料調製が可能となり、結晶も得られた。分解能は8 Aと低いが、純度向上と条件検討を継続中である。またその構成成分のRsbSの結晶回折能を向上させ2.9 A分解能のデータを取得、解析中である。RsbQについては、枯草菌による発現と酵素活性の測定により、シグナル分子の同定に迫りつつある。さらに、ストレスシグナルが最終的に伝達されるRNA polymeraseについて調製を行い、結晶化条件のスクリーニングを実施した。3) タンパク質結晶の新規マウント技術:水分を多く含み脆いタンパク質結晶を安定にX線回折測定を行うマウント手法(HAG法)の開発を継続した。特に、RsbQ結晶で良好な結果を与えるが、これは結晶コーティング用高分子の結晶への低浸透性が奏功したと考えられる。これを受けてコーティング剤の最適化を進め、汎用性を高めた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014 2013
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)
Acta Crystallographica
Volume: D71 Issue: 6 Pages: 0-0
10.1107/s1399004715007166