Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
循環動態は、交感神経を介した心臓の機能活性化や末梢血管収縮による制御を受け「交感神経-効果器ワイヤリング」による制御と言える。我々は、膜型増殖因子HB-EGFの結合タンパクとして同定したメタロプロテアーゼnardilysin (NRDc)が、細胞外ドメインシェディングの活性化因子であることを明らかにしてきた。また、NRDc欠損マウス(NRDc-/-)の解析から、NRDcが髄鞘形成制御因子ニューギュレン1の切断を介して髄鞘形成を制御していることを報告した。さらにNRDc-/-は、著明な低血圧・徐脈を呈し、交感神経調節系の障害が示唆された。NRDc-/-の解析から、交感神経活動の亢進と神経分布標的臓器における交感神経分布異常、交感神経分布を制御するNGF受容体(p75NTR)のシェディング異常、交感神経節の神経細胞増殖とアポトーシスの減少、が明らかとなった(未発表)。以上から、NRDcは効果器(心臓・血管)における交感神経分布を制御し、循環動態を調節するための鍵分子である可能性が示唆された。本研究では、臓器特異的NRDc欠損マウスを作製し解析することで、交感神経と効果器の相互作用について明らかとすることを目的とした。臓器(血管平滑筋・心筋・交感神経)特異的NRDc欠損マウスについて解析をおこなったが、これらのうち交感神経特異的NRDc欠損マウス(DBH-NRDc-CKO)でのみ、有意差を持って血圧低下を認めた。さらに、同マウスでのみ、NRDc-/-と同様の交感神経分布異常を認めた。交感神経分布に関わる分子に対するmRNA発現量の解析を行ったところ、DBH-NRDc-CKOで、NRDc-/-と同様の遺伝子発現パターン(p75NTRの増加)を示した。さらに同マウスの心臓由来タンパクにおいて、p75NTRシェディングの低下を認めた。以上より、交感神経に発現するNRDcが、p75NTRのシェディングを調節することで、交感神経終末の分布を制御していることが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nat. Commun
Volume: 5 Issue: 1 Pages: 3224-3224
10.1038/ncomms4224
Neurobiol Aging
Volume: 35 Issue: 1 Pages: 213-22
10.1016/j.neurobiolaging.2013.07.014
http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/sentan-bunshi/