Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
エピゲノム制御因子の一つであるFBXL10は高脂肪食負荷マウスの白色脂肪で高発現をきたすほかに、白色脂肪細胞分化過程における2回のクローナルエクスパンジョン期において高発現をきたす。今回FBXL10が白色脂肪細胞分化を制御する分子機構を解明するための検討を行った。Fbxl10を強制発現した3T3-L1脂肪前駆細胞においては、3T3-L1脂肪前駆細胞の分化過程における2回目のクローナルエクスパンジョン期の細胞増殖が起こらず、脂肪細胞分化が抑制されていた。この脂肪細胞分化抑制機構は、FBXL10のF-boxドメインとLRRドメインに依存しており、FBXL10はこれらのドメイン依存性にRING1B、SKP1、BCOR、PCGF1からなるポリコーム抑制複合体(PRC1複合体)に結合していた。そのため、野生型のFbxl10を強制発現した3T3-L1脂肪前駆細胞のほかに、F―boxドメインを欠損したFbxl10を強制発現した3T3-L1脂肪前駆細胞、通常の3T3-L1脂肪前駆細胞の3種の細胞を準備し、分化誘導後の2回目のクローナルエクスパンジョン期におけるRING1BのChIPシークエンス法を行うことでFBXL10依存性のPRC1複合体のリクルートメントを検討した。その結果、遺伝子発現がFbxl10の発現によって1.5倍以上変化している遺伝子のうち、野生型のFbxl10のみに依存してRING1Bが遺伝子領域にリクルートされてくる遺伝子としてCdk1やUhrf1、Pparg1やPparg2等が見出された。これらの遺伝子はそれぞれ細胞周期制御遺伝子や脂肪細胞分化のマスター制御因子であることから、FBXL10がPRC1複合体を形成することで遺伝子発現調節を抑制し、脂肪細胞分化を制御しているという新規の機構が明らかになった。本研究の成果を論文にまとめ、JBC誌において発表した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Communications
Volume: 印刷中
J Biol Chem
Volume: 290 Issue: 7 Pages: 4163-77
10.1074/jbc.m114.626929
Sci Rep
Volume: 4 Issue: 1 Pages: 5412-5412
10.1038/srep05412
http://www.mm.rcast.u-tokyo.ac.jp/member/inagaki.html
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/people/staff-inagaki_takeshi.html
http://www.lsbm.org/staff/inagaki.html