Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
Hippo経路はショウジョウバエのモザイク解析によって近年発見された新たなシグナル経路であり、この経路の下流転写因子には細胞増殖に関わるTEADの他に脂肪細胞分化に関与するPPARγが含まれている。さらに代謝、肥満、食欲制御に重要なPI3K経路との密接なクロストークの存在が示されていることからも、Hippo経路の糖・脂質代謝、肥満、食欲制御への関与が考えられる。そこで申請者はHippo経路の糖・脂質代謝、肥満、食欲制御への関与を検討するため、脂肪細胞、膵臓β細胞、骨格筋細胞、間葉系幹細胞、視床下部レプチン反応性ニューロンの組織特異的にHippo経路遺伝子を欠損するマウスをそれぞれ作製・解析を行なった。Hippo経路のコア分子の1つであるMOB1の脂肪細胞特異的欠損マウスでは、通常食摂取時においては生後25週齢前後から、白色・褐色脂肪組織の両方で軽度の脂肪組織重量増加障害と低体重を認め、組織的には脂肪滴の小型化が観察された。これらの表現型は高脂肪食を与えることで早期から差が顕著となったことから、高脂肪食投与のマウスを用いて、摂食量・行動量・基礎代謝量検討したところ、ともに変化は認めなかった。次にホルモン・サイトカインの変化を検討したところ、組織重量増加障害に伴う耐糖能の改善、インスリン感受性亢進、血中インスリン値の低下を認め、血中レプチン値の低下はあるものの、血中adiponectin値は不変であった。これらから、脂肪特異的MOB1欠損マウスにみられる脂肪組織重量増加障害と低体重はエネルギー消費の亢進やエネルギー摂食量の低下によるものではないことが示唆された。また野生型マウスでは高脂肪食投与による肥満に伴いMOB1の発現亢進とYAPの発現低下が観察された。ここまでのことから、Hippo経路は肥満によって活性化され、肥満を更に増悪させる経路である可能性が示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Horm Metab Res
Volume: 47 Issue: 03 Pages: 168-175
10.1055/s-0034-1395531
医学のあゆみ
Volume: 251 Pages: 428-435
NEURO SCIENCE
Volume: 258 Pages: 263-9
10.1016/j.neuroscience.2013.11.017
CANCER SCIENCE
Volume: 104 Issue: 10 Pages: 1271-7
10.1111/cas.12227