Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
クロマチンを基質とした核機能の遂行にはクロマチンの構造変化が必要であり、その構造変化の鍵となるのがクロマチンを構成するヒストンへの翻訳後修飾である。ヒストン修飾酵素の補因子はエネルギー代謝から供給されることから、エネルギー代謝とクロマチン構造制御とは密接に結合している。本研究では糖代謝経路から供給される代謝産物とクロマチンを介した細胞機能:ここでは細胞の寿命制御との関連について調べた。glycelaldehyde 3-phosphate dehydrogenase (GAPDH) の一つであるTdh2は解糖系および糖新生経路に関与するが、その遺伝子欠損により糖新生経路が遮断され、細胞の寿命延長を起こす。NAD+依存性デアセチラーゼsir2欠損株ではヒストンH4の高アセチル化状態が持続するため、rDNA領域内の不安定化を引き起こし細胞寿命が短くなる。tdh2 sir2二重欠損株はsir2欠損株と比べると細胞寿命の回復がみられることから、野生株と比較してtdh2欠損株で増減した代謝産物にsir2欠損株の短寿命を回復させる代謝物があると仮定した。質量分析によりtdh2欠損細胞内の代謝産物を定量し、トリプトファンからNAD+を合成するキヌレニン経路の代謝中間産物の一つであるキノリン酸が顕著に増加することに着目した。キノリン酸を基質とする代謝酵素Qpt1およびsir2の二重欠損株はsir2欠損株よりも寿命が長くなる。更にqpt1 sir2二重欠損株ではsir2欠損株と比較するとヘテロクロマチン内のヒストンH4のアセチル化レベルが減少し、細胞寿命も延長することがわかった。このようにキノリン酸を中心とした代謝産物がrDNA領域のヒストンH4の低アセチル化修飾状態を維持し、ゲノムの不安定化を抑制することで細胞の寿命を延ばしていることを示唆している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014 2013
All Presentation (6 results) (of which Invited: 1 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)