Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
H2AXのリン酸化(γH2AX)を始めとしたヒストンの翻訳後修飾は、DNA損傷の修復に重要な役割を果たしている。γH2AXのfociは、損傷を受けた直後から数時間に渡って存在することが知られているが、実際に生きた細胞内でのfociの生成と成熟、消失の過程は計測されていない。本研究は、独自に開発した生細胞ヒストン修飾可視化法を用いて、DNA損傷修復におけるヒストン修飾制御と転写抑制の意義を明らかにすることを目的として行った。具体的には、様々なヒストン修飾特異的Fabを蛍光標識して生細胞に導入し、レーザーマイクロ照射によりDNA損傷を誘導し、損傷部位におけるヒストン修飾動態を解析した。DNA損傷の修復活性の指標としてmCherry融合型proliferating cell nuclear antigen(PCNA-mCherry)をFabと同時検出した。γH2AX特異的Fabは、損傷修復過程おけるヌクレオチドの取り込みに働くPCNA-mCherryの集積よりも早く損傷部位に集積した。それに対して修復後の新規ヌクレオソームに取り込まれるヒストンに見られる修飾であるH4K5acは、PCNA-mCherryの集積にやや遅れて検出された。これらの結果は、固定細胞を用いた解析や生化学的実験の結果とよく一致しており、本検出法が生細胞におけるDNA損傷修復に伴うヒストン修飾動態の解析に有用であることが確認できた。現在、リン酸化型RNAポリメラーゼIIや、他のヒストン修飾について同様の解析を行っており、DNA損傷修復におけるクロマチン制御機構に関する新しい知見が得られると期待できる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/hiraoka/kimura/index.html