Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
2年次の研究では、肌色が異なる顔画像を観察し、その印象評価を行う際の脳活動を計測することで、肌質感の印象評価の脳内メカニズムの一端を明らかにすることを試みた。具体的には、前年度の研究で撮影した女性の偏光画像に対し、情報工学的分析を適用することで、同一の女性モデルの顔画像におけるヘモグロビン・メラニン色素強度を独立に変化させた複数枚の顔画像を合成した。実験では、メラニン・ヘモグロビン色素強度を変化させた顔画像を観察中の成人男性の脳波活動を計測した。顔画像からの印象評価には、肌質感のみならず、顔形態から得られる印象の影響が混入していると考えられる。このような顔形態の影響を除去するため、特殊な分析法を用い、肌質感からの印象評価に特異的に関係する脳活動を抽出した。その結果、肌質感から強い魅力を感じるほど、顔画像提示後330-360msに、右後側頭部における脳波活動が活発になることが示された。一方、肌質感からの健康さの評価に関連する脳波活動は、顔画像をみてから約180msの時点で出現することが明らかになった。これらの結果は、肌質感からの印象評価においては、健康さの評価が、魅力の評価よりも先んじて行われる可能性を示唆している。これは、「健康さ・繁殖力の指標となる肌質の特徴量を手掛かりに、肌の魅力評価が行われる」とする本研究の仮説(肌質感=生殖シグナル仮説)を、支持する知見であると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results)
Front Hum Neurosci
Volume: 7 Pages: 770-770
10.3389/fnhum.2013.00770