Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
無機リン酸イオン(以下リン)は エネルギー(ATP)、核酸合成、細胞膜や骨格形成に必須のイオンである。加齢や腎臓病によりリン代謝異常が惹起され骨疾患、心臓病、腎不全や寿命短縮などを引き起こす為、その破綻は生体に重大な問題となる。特に血中リン濃度上昇による恒常性の破綻は、慢性腎臓病患者の生命予後を悪化させることが知られおり、リン恒常性維持機構の解明研究の重要性が認識されている。本研究において、全身性のリン恒常性維持機構を多臓器にわたり多面的に捉えることを目的としているため、骨細胞と多臓器を結ぶ新しいリン代謝制御、および血中リン濃度感知機構の解明を中心に取り組んだ。骨細胞は骨代謝制御のみならず、腎臓、腸管、副甲状腺、肝臓、脳などとの臓器連関を介してリン代謝の制御に関わることを明らかにした。骨細胞死滅マウスでは体内でのリン/カルシウム保持機構が破綻することを見いだした。さらに骨細胞死滅マウスにリン負荷食を与えると、正常マウスに比して腎臓からのリン排泄が抑制されることより、骨細胞数の減少は食餌性リン応答を抑制する可能性が示唆された。また、リン負荷応答細胞の一つが骨細胞である可能性を明らかとした。さらに、骨細胞は当初の想定以外の役割を果たすことを見いだした。骨細胞減少マウスでは、1.腎臓の繊維化を引き起こすこと、2.肝臓、腸管に作用し脂質/胆汁酸代謝を亢進させること、3.摂食行動異常などの表現型が認められ、骨細胞はリン代謝制御の中核細胞としての役割以外の重要生理学的役割を持つと考えられた。また、血中リン濃度を制御する新たな因子である、Namptの活性化が骨細胞減少マウスのミネラル、脂質代謝を制御する可能性も示唆されたた。今後さらなる研究の継続を行なう必要があると考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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