Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
4.2kaの寒冷化イベントにより世界各地で寒冷化や湿潤化,乾燥化が進み,人間社会に大きな変動がもたらされた。日本列島の縄文時代でも,大規模集落の解体や人口減少などの社会の「衰退」要因とされてきた。一方,関東地方の植生史や植物利用の変遷を見ると,このイベントを境とした低地環境の安定化に伴い,新たな環境に「適応」した複合的な植物資源利用が確認されている。本研究は,4.2kaイベントが人間社会に「衰退」をもたらしたのか,あるいは「適応」を促進したのかを,低地の堆積物と植物遺体が多数検出されている本州東半部に注目し,自然に埋積した大型植物遺体の検討による植生と人間による植物資源利用の双方から解明する。