Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
性操作型の共生体は雄殺しや性転換を誘発し、宿主の性比を雌へと偏らせる。宿主の性操作を担うエフェクターが同定された例は数えるほどしかなく、その分子機構の共通性や起源を見いだすためには更なる知見の蓄積を要する。この要請に応えるため、本研究では、応募者が新規に同定したスピロプラズマの雄殺しエフェクターの同定を目指す。一方、本研究では、雄殺し型の共生体は、亜種間雑種の起こりやすい交雑帯において雑種不和合を引き起こし、種と種の混じり合いを防ぐ生殖防壁として働くとの独自の仮説を提案する。この仮説が実証されれば、雄殺し型共生体は、生物多様性を維持する上で生態学的に重要な意義をもつことを明らかにできる。