実在モデル系としての球形分子会合体からなる液体のガラス転移
Publicly Offered Research
Project Area | Synergy of Fluctuation and Structure:Foundation of Universal Laws in Nonequilibrium Systems |
Project/Area Number |
26103504
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 一弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30195979)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2015: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2014: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
|
Keywords | ガラス転移 / 結晶間相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
DCHMの液体構造の解明を目指し,散乱実験を実施した.結果の解析の過程において,DCHMの4量体が,直径0.7 nmの球で良く近似できることを示した. 前年度合成したトランス・トランス型ジブチル置換DCHM(BBCHM)の水素結合凝集構造の解明に取り組んだ.物質同定を兼ねた結晶構造解析および温度可変FT-IR測定により,すべての分子が閉じた水素結合を作る4量体が基本的な凝集状態であることを確認した.室温において顕著な構造乱れが検出されたので低温での構造を調べ,単位格子の5倍化を伴う特異な相転移が存在することを見出した.断熱型熱量計による熱容量測定を行い,相転移温度,転移熱などの基本的な性質を明らかにした.構造解析の結果とあわせることにより,静的で強い乱れ(frozen-in disorder)を持ち合わせた非平衡状態にある結晶が非常に鋭い一次相転移を起こすことが明らかになった.当初予想していた結果では無いが,非平衡系の示す相転移として興味深い.この構造相転移は,ある方向に5倍の構造変調が起きるのではなく,単位格子同士の関係が単純で無いにも関わらず,構造変調波が一種類で足りるという性質を持つという特徴がある.比較的複雑な結晶の示す構造相転移としても非常に興味深いと考えられる. BBCHMは比較的速い速度で冷却するとガラス化することが明らかになったが,他の測定手法の適用は困難であった.今後合成される類似化合物との比較を通じて,球状会合体の示すガラス転移の研究に役立てることが期待される.
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)