Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度はガラスに固定されたダイニンにより自発運動する微小管の集団運動について研究した。ダイニン c、ダイニン g、細胞質ダイニンの3種類を用い、ダイニン種依存性を主に調べた。ダイニン密度が十分高い時、ダイニン種によらず、微小管は渦状の構造を形成した。ダイニンcを用いたときは渦状構造の大きさや位置は大きくゆらいだ。ダイニンgを用いた時はほぼ同じ大きさの渦が安定な六角格子を形成した。ダイニンcとダイニンgを用いた時、隣り合った渦は重なっていた。一方で細胞質ダイニンを用いた時、再近接の渦はあまり重ならず、それぞれの渦が孤立していた。平成26年度にダイニンcの密度が薄い時、渦状構造は出来ず一様なネマチック相となることがわかっている。集団運動のダイニンの種類と密度に対する依存性の原因を調べるため、微小管の数密度を下げ、孤立した微小管の運動を観察した。その結果、用いた全てのダイニンによる自発運動で回転運動が頻繁に観察された。回転の曲率に注目して解析したところ、ダイニンcを用いた時は回転方向に偏りが殆ど無いことがわかった。また、ダイニンcの密度が高い時ほど回転の曲率が長時間維持されていた。ダイニンgを用いた時も回転方向に強い偏りは見られなかったが、回転の曲率が最も長い時間維持されていた。細胞質ダイニンを用いると、他の2つのダイニンを用いた時と比べて反時計回りする割合が多かった。数理モデルの解析により、回転の曲率が維持される時間を長くしていくと一様なネマチック相、揺らぐ渦でうめつくされた相、渦の六角格子と相が転移していくことが予想されている。また、回転方向に大きな偏りがあると、孤立した渦が出来やすいことが予想されている。つまり個々の微小管の運動の特徴と集団運動の対応関係が数理モデルとよく一致することがわかった。ここから微小管の集団運動の相転移は回転の様相の変化により起こると結論づけた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (15 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 6 results) Book (1 results)
Physical Review Letters
Volume: 114 Issue: 16 Pages: 168001-168001
10.1103/physrevlett.114.168001
RIMS Kokyuroku
Volume: 1940 Pages: 24-29