Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
プロリン誘導体に代表されるキラル二級アミンを触媒としたアルデヒドのα位置換反応は様々な医薬品および天然有機化合物の合成に利用されている。しかしながら本反応では、α―2置換アルデヒド(分岐型アルデヒド)を反応基質とした場合に、往々にしてエナンチオ選択性が著しく低下することが知られている。分岐型アルデヒドのα位置換反応では一級アミン触媒が効果的に機能する場合が多い。しかしながらキラル一級アミン触媒の開発は同二級アミン触媒に比べて立ち後れている。そこで今回、軸不斉を持つ新たなキラル一級アミン触媒を設計、合成し、同触媒を用いた分岐型アルデヒドの不斉フッ素化反応を試みた。その結果、高収率かつ高エナンチオ選択的に反応が進行し、目的とするフルオロアルデヒドが得られることが明らかとなった(最高95%ee)。さらに得られたフッ素化合物を非ステロイド性抗炎症薬の含フッ素類縁体へ誘導化することに成功した。医農薬品にフッ素原子を導入することでその機能が大きく向上する例が数多く報告されていることから、キラルフッ素化合物は創薬分野において有用な化合物群である。本手法はフッ素化された多置換不斉炭素を効果的に構築できることから、医農薬品候補分子の合成に広く活用できると考えている。さらに,本反応で得られたフルオロアルデヒドの求核置換反応による誘導化を試みた。その結果、フルオロアルデヒドをアルコール溶媒中、塩基性条件下で処理することで、炭素―フッ素結合が開裂して対応するヒドロキシアセタールが得られることが分かった。本反応において光学純度の低下はほとんど観測されなかった。本手法は分岐型アルデヒドのα位にワンポットで水酸基を不斉導入できることから、キラル三級アルコールの有用な合成法になると期待している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Chemical Science
Volume: 7 Issue: 2 Pages: 1388-1392
10.1039/c5sc03486h
Tetrahedron Letters
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Journal of Fluorine Chemistry
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Current Organic Chemistry
Volume: 19 Pages: 1619-1637
Volume: just accepted
http://ens.tut.ac.jp/orgchem/index.html