Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
精密な立体・反応性制御が求められる有機分子触媒反応の開発では、反応機構の知見を詳細に得ることが必須のものとなっており、計算化学が重要な役割を果たしうることから、いくつかの有機分子触媒反応に対して量子化学的な検討をおこなうことを目的とした。本年度は次の2点に関して成果が得られた。[1]光誘起電子移動触媒を用いたシアノアレーン誘導体の芳香族置換反応に関する量子化学的検討光誘起電子移動触媒は有機分子触媒を組み合わせることにより、それぞれ単独の触媒では達成できなかった反応活性化をもたらす。触媒サイクル中に電子移動過程を含む反応系に対して量子化学的な検討をおこなっていくことは、今後、重要性を増してくるものと考えられることから、光誘起電子移動触媒を用いたシアノアレーン誘導体とジヒドロピリジン誘導体の芳香族置換反応に関して検討をおこなった。ωB97X汎関数を用いたDFT計算による結果、提案されている反応機構が妥当であることを明らかにした。[2]通常電子要請型ディールス・アルダー反応におけるendo選択性に関する量子化学的検討有機分子触媒では、弱い相互作用が立体選択性の発現に対して鋭敏に効いていることが多い。立体選択性がどのような相互作用に依るものなのか解析する手法を確立することが重要であることを念頭に、まずは単純な系としてディールス・アルダー反応におけるendo選択性の問題を取り上げて検討をおこなった。無水マレイン酸のみならず、C=O結合をC=NHやC=CH2に代えたジエノフィルとシクロペンタジエンとの反応に関して、ab initio RHF, CCSD(T)//MP2, およびDFT(M06-2X)法により検討をおこなった。その結果、C=O結合による分極に伴い、反応部位に隣接するC原子が正電荷を有することが選択性、反応性両者に最も大きな影響を与えていると考えるべきことを見いだした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016 2015 2014
All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results, Acknowledgement Compliant: 4 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
ChemCatChem
Volume: 8 Issue: 6 Pages: 1028-1032
10.1002/cctc.201600037
Angew. Chem. Int. Ed.
Volume: 54 Issue: 26 Pages: 7597-7601
10.1002/anie.201502531
Angew. Chem., Int. Ed.
Volume: 54 Issue: 34 Pages: 9944-9947
10.1002/anie.201503704
Adv. Synth. Catal.
Volume: 357 Issue: 18 Pages: 3901-3916
10.1002/adsc.201500637
Organometallics
Volume: 34 Issue: 1 Pages: 236-241
10.1021/om501095e
J. Am. Chem. Soc.
Volume: 137 Issue: 12 Pages: 4173-4182
10.1021/jacs.5b00584
Journal of the American Chemical Society
Volume: (印刷中) Issue: 14 Pages: 5424-5431
10.1021/ja5008432