Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
グラフェン/超伝導体界面で起こることが予測されている鏡面アンドレーエフ反射が実験で観測されていない原因が電極金属とグラフェンの仕事関数差に起因する電荷ドープにあると考え、最初に電極接続の影響を詳細に評価すると共に、電極接続の影響を除去する方法を開発した。その後、電極接続の影響を除去するための処方を施したグラフェン/超伝導体接合を作製し、その電気伝導特性を評価した。具体的内容を以下に示す。1)Cr、Pd、Niの電極について、単一グラフェン上に形成したチャネル長の異なる多数の電界効果トランジスタ構造の電気伝導の測定結果および数値シミュレーションから、「電極直下のグラフェン部分では、電極から十分離れたグラフェン部分に対してディラック点が大幅に移動している」ことを明らかにした。ディラック点の移動量と電極金属の仕事関数との間に線形の相関を見出し、グラフェンの実効的な仕事関数を導出した。さらに、電極金属がグラフェンと化学吸着を起こす場合には電極直下のグラフェンの移動度が顕著に減少することを見出した。2)電極金属とグラフェンの間に、厚さ3 nm以上の多層グラフェンを挿入することで、電極接続の影響が除去されることを確認した。3)超伝導金属/多層グラフェン/グラフェンの接合では、電極接続の影響が除去されて鏡面アンドレーエフ反射の観測が可能になると考え、乾式転写法を用いて接合を作製した。超伝導体には層状物質NbSe2を用い、大気中での劣化を防ぐために接合全体をhBN薄膜で挟み込む構造を採用した。また、反応性イオンエッチングによって1次元コンタクトを形成した。電流電圧測定に超伝導に起因するギャップ構造が見られたものの、現時点でアンドレーエフ反射は観測できていない。これは、NbSe2の表面が大気暴露によって酸化されたためである可能性が高いので、不活性ガス中で接合を形成するためのプロセスを開発した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (17 results) (of which Int'l Joint Research: 9 results, Invited: 1 results) Book (1 results)