Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本提案は隕石試料などに含まれる有機分子のキラリティを直接分析する手法として、紫外~真空紫外線領域における円二色性スペクトル計測によるものを提案し、その有効性を検証することを最終目標としている。そのために紫外~真空紫外線領域における円二色性スペクトル計測装置の高度化、特にマイクロビーム化などによる高感度化や二次元分布計測システムの開発などを行うともに、テスト試料を用いた本装置・手法の評価を行い、実際の計測の可能性や必要な要素技術・計測法などに関する指針を明らかにする。本年度はまず前年度開発したシュバルツシルトミラーを用いたマイクロビームによる円二色性、光吸収の二次元分布計測システムの高度化を行った。光学系の慎重な調整により、光スポット径を40μm×60μm程度にまで縮小化することに成功した。さらにピンホールを用いた2次元分布計測より、マイクロビームの形状が楕円に近いものであることも明らかにした。L-チロシンの薄膜をメッシュパターン状に真空蒸着した試料を用いて、真空紫外領域での吸収と円二色性の二次元パターンを計測したところ、前年度のものよりも鮮明な画像の観測に成功した。またベースライン計測を行わずとも、円二色性スペクトルを計測可能な方法の開発にも成功した。更に研究協力者の協力を得て、隕石試料の吸収、円二色性、直線二色性スペクトルの測定を試みた。その結果、直線二色性由来の成分を正確に考慮する必要が有ること、円二色性計測の場合はできる限り薄い試料にしないと計測が困難であること、円二色性だけでなく光学活性の計測も有用であるという指針を得ることができた。光学活性計測では円二色性より試料厚さを厚くできるので試料準備が容易になるなどの利点がある。今後これら指針を基に手法開発を進めていく。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results) Remarks (1 results)
https://staff.aist.go.jp/masahito-tanaka/