Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
J-PARCの超低速ミュオン(10 keV)をマイクロビーム化するにあたり、4重極レンズの前段でサブミリのビーム径かつ低エミッタンスの超低速ミュオンを生成する必要がある。通常のビーム光学系ではこの2つの性質を両立することは原理的に困難である。解決手法の1つとしてテーパー型のガラスキャピラリーの使用が挙げられる。入口径がミリメートルオーダーで出口径がミクロン~数十ミクロンのテーパー型キャピラリーに荷電粒子(イオンビーム)を透過させる研究がこの10年ほど精力的に行われてきた。透過率とエミッタンスからなる透過特性は一般にガラスキャピラリーの形状に依存するが、多くの場合単純な入口径と出口径の比から期待されるよりも10倍程度の透過率を示し、エミッタンスは1桁から2桁程度低下する。これまでに研究されたイオン種としてはMeVのイオンとkeVの低速多価イオン(主にAr)があるが、どちらの場合も似たような透過特性を示す。しかし透過の原理は2つで大きく異なり、透過特性の数値的な値がほぼ一致しているのは偶然と考えられる。前者はガラス内壁でのラザフォード散乱による1回散乱成分が加わることにより透過率が上昇しているのに対し、後者ではガラス内壁の不均一な正の帯電によるガイド効果に起因することが分かっている。ミュオンはプロトンの約1/10の質量を持ち、かつ1価の電荷を持つため、上記の2つのエネルギーや価数のクロスオーバー領域に相当し、どのような透過特性が得られるのか情報がなかった。そこで100 keV~1 MeVのプロトンとヘリウムイオンを用いて超低速ミュオンをシミュレートし、透過特性の推定を行った。実験結果による経験則として、この領域ではエネルギーではなく運動量で透過率をスケーリングできることが分かった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Letters
Volume: 107 Issue: 23 Pages: 2319061-5
10.1063/1.4937431
120007130028
Journal of The Physical Society of Japan
Volume: 84
210000133491
http://www.tac.tsukuba.ac.jp/~sekiba/index.html