Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
背景:後生動物の始原生殖細胞(PGC)は、主に卵形成時に蓄積する生殖質を取り込んだ細胞から分化する(生殖質依存型)か、2)胚発生期又は成体期に細胞間相互作用により後生的に分化する(後生型)ことが知られている。後生型PGC形成は、プラナリアや腔腸動物など原始的な後生動物と、マウスなど胎生哺乳類で報告がある。前者では成体に生殖質様領域を持つ多能性幹細胞が存在し、環境要因などにより生殖細胞への誘導が起こる(幹細胞型)のに対し、後者では発生初期に体幹細胞の一部に転写制御系やクロマチン構造の変化による脱分化と生殖細胞への再分化が起こる(脱分化型)。しかしPGC形成機構の進化的な道筋や基本原理は不明である。原索動物カタユウレイボヤは生殖質依存型と後生的なPGC形成の両方を行うことが知られ、PGC形成機構解析のモデル動物として有用である。目的:ホヤPGC形成に関わる転写制御機構解析の第一歩として、人工ヌクレアーゼを用いたPGC形成関連遺伝子のノックアウト解析手法の確立と、PGCマーキングのノックイン系統作成を試み、PGC発現遺伝子の網羅的解析を目指した。実績:1)人工ヌクレアーゼTALENを用いて生殖質顆粒形成関連因子TDRD7の変異体系統作成に成功し、Null変異体の表現型が哺乳類と類似することを明らかにした。2)Pou2やGCNFなど生殖及び多能性関連転写因子のノックアウトを行うと変態を妨げた為、変態と後生的PGC形成に関連する転写カスケードが関連している可能性が示唆された。3)TALENによるDSB誘導とターゲティングDNAの共注入により、TDRD7遺伝子領域のVenus遺伝子への置き換えによるPGCマーキング系統が作成可能であることを示した。一方で内在遺伝子の短縮や欠失を伴わないノックインは実現しなかった為、ゲノム全長を伸張させるノックインにはさらに工夫が必要であると考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014
All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)