Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
真核細胞では、細胞内で発現するタンパク質のおよそ30%もの分子種が核内外を積極的に往来している。これら大部分のタンパク質の輸送は、Importinβファミリーと呼ばれる運搬体分子群によって担われ、ヒトには20種類以上存在する。しかし、それぞれのファミリー分子の基質情報が少なく、個々の輸送経路の機能同定が進んでいない。本研究では、Importinβファミリー分子の基質候補を同定し、その輸送経路の機能同定を試みた。我々は、核―細胞質間輸送再構築系、安定同位体標識法(SILAC)、定量的質量分析法の3つを組み合わせた新しい基質同定系の樹立に成功していた。初年度は、TransportinとImportinβの輸送基質同定に工夫を加え、基質の同定効率を上げる条件を設定した。次年度から、11のImportinβファミリーが担う輸送経路の基質候補を、HeLa細胞を用いて同定した。3回のbiological replicateをとることによって、全て運搬体分子に対して、1000から2000の異なる分子種を定量し、それぞれの運搬体について100~200分子の基質候補を同定した。この規模の基質候補を核内輸送反応の大部分に対して同定した結果は、これまでに例がなく世界初といえる。そのため、解析に用いた運搬体全ての基質候補を比較することで、運搬体によって運ばれる基質に機能的違いがあるかを調べた。その結果、1)それぞれの運搬体に特異的なGOtermが濃縮されること、2)70種類を越えるリボソームタンパク質のそれぞれが異なる運搬体の基質候補になること、3)全ての運搬体の基質候補に含まれるmRNAスプライシング因子は、異なる運搬体では異なる反応pathwayにマッピングされることがわかった。これらの結果から、Importinβファミリーのそれぞれは機能的に異なる基質を輸送することが考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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