Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
神経因性疼痛は糖尿病、自己免疫疾患、手術後など様々な病態に伴う神経損傷で引き起こる慢性疼痛である。疼痛慢性化の機序として神経障害を受けたレベルの脊髄後角および後根神経節でグリア細胞が異常に増殖し活性化していることがわかり、グリアアセンブリの破綻の寄与が注目されている。グリア細胞、アストロサイトに発現するアクアポリン4(AQP4)は、脳疾患の様々な病態(脳浮腫、痙攣、視神経脊髄炎(NMO)等)に関与する他、嗅覚や聴覚障害との関連も明らかとなった。そこで、本申請研究では、後根神経節のサテライトグリアにおいても中枢神経アストロサイトと同様、AQP4が発現しているか免疫組織学的に検討した。その結果、三叉神経節および後根神経節にAQP4が発現していることが解った。さらに、グリア細胞のマーカーであるとの発現パターンから、AQP4の発現は神経細胞ではなく周囲のグリア細胞であることを確定した。尚、後根神経節におけるAQP4の発現量は、三叉神経節における発現量に比べてわずかであった。次に、AQP4ノックアウトマウスを用いて行動解析を行い、神経因性疼痛の病態(坐骨神経損傷、spared nerve injury (SNI)モデル)におけるAQP4の関与を検討した。具体的には、機械性疼痛過敏の評価としてさまざまな力価のvon Freyフィラメントで足掌を突いた際の反応閾値および反応時間を測定し、冷感性痛覚過敏の評価としてはアセトン滴を足掌に添加した際の反応時間を測定した。その結果、野生型マウスとAQP4ノックアウトマウスの間に有意差を認めることはできなかった (Kato J, et al, BBRC 454(4): 562-7, 2014 )。次に上記モデルを用いて免疫組織学的、生化学的解析を行った。GFAP、Iba1、Cx43などの発現パターンを比較検討したが、野生型マウスとAQP4ノックアウトマウスの間に有意差を認めなかった。以上より、末梢神経障害に伴う神経因性疼痛におけるAQP4の役割は明らかではないと結論した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results)
Biochem. Biophys. Res. Commun.
Volume: 451(4) Pages: 562-7