Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
葉緑体はシアノバクテリア(藍藻)の原始真核細胞への共生により生じた。藍藻の持つペプチドグリカンは進化の過程で葉緑体から消失したと考えられてきたが、我々は細菌から持ち込まれたペプドグリカン関連遺伝子が現在でもコケ植物の葉緑体において分裂等の基本的な葉緑体機能にかかわっていることを見出している。クリック反応を利用してペプチドグリカンを可視化する方法により、コケ植物の葉緑体がペプチドグリカンで覆われていることを発見した。更に、ペプチドグリカン合成系のMurE遺伝子破壊ラインを用いて同様のクリック反応を行い、予想通りにこの植物体では蛍光が見えないことを明らかとした。ペニシリン結合タンパク質(PBP)はペプチドグリカンモノマーを既存のペプチドグリカンに結合する最終合成を司る酵素である。ヒメツリガネゴケ葉緑体型PBPと協調して働くタンパク質を同定するため、mycタグを付加したPBPを発現する形質転換ラインをヒメツリガネゴケで作成した。mycタグに対する抗体で免疫沈降等を行うことによりPBPと複合体を作るタンパク質を取得し、質量分析法により同定したところ、ペプチドグリカン結合ドメインであるLysMドメインを持つタンパク質を見いだすことができた。これらのタンパク質はコケ植物の葉緑体でペプチドグリカンと結合しつつ、機能している可能性がある。藍藻の持つペプチドグリカン-外膜接着システムであるS-layer homology (SLH) ドメインと予測される領域を持つコケ植物の葉緑体タンパク質(SLHタンパク質)に関する研究も進めた。コケ植物には、4つのSLHタンパク質が存在していたが、SLH1/2二重遺伝子破壊ラインを作成したところ、細胞における葉緑体数の減少が明らかとなった。このことは、SLHタンパク質が何らかの形で葉緑体分裂や数に関わっていることを示唆している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014
All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (17 results) (of which Invited: 1 results)
Am. J. Plant Sci.
Volume: 6 Issue: 2 Pages: 591-601
10.1007/s10126-014-9608-6
PLoS One
Volume: 10 Issue: 3 Pages: e0118804-e0118804
10.1371/journal.pone.0118804