Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
マラリアは、年間の罹患者数が2億人以上、死亡者数は約43万人以上にもおよぶ感染症であり、ワクチンや新薬の開発など様々な対策がなされているが征圧には至っていない。ハマダラカの吸血時に感染するマラリア原虫は、ヒト体内ではまず肝臓に寄生(肝内型)し、次いで赤血球内に寄生(赤内型)し発育する。この肝内型原虫には休眠期が存在し、時空間的に拡散伝播できることからマラリア撲滅を難しくしている。休眠期原虫は、宿主に害を与えず平均寿命半年の肝細胞内に複数年にも亘り“居座る”ことから、片利共生との類似性が窺え“休眠期原虫を偽オルガネラ”と捉えることができる。この偽オルガネラと共生体オルガネラの違いは、原虫が分裂増殖し宿主を食い破るステップ;偽オルガネラの脱共生段階であり寄生虫とされる所以である。このような観点から肝内型発育期を俯瞰すると、偽オルガネラ化の成立・決定機構とそこからの脱共生という興味深い生命現象が見出されるが、休眠モデル株の不足などの理由から、そのメカニズムは全く解明されていない。そこで本研究ではマラリア原虫の偽オルガネラ化の制御因子・決定機構に着目し、その分子メカニズムの解明を試みる。これまでに代表者らは齧歯類マラリア原虫を用いたLoss-of-function analysesにより、世界に先駆けて偽オルガネラ化モデル株(ng2-ko)の作製に成功した。そこで、このng2の機能を明らかにするため、C末端にタグ付加したng2-MYCコンストラクトを作製し、原虫に遺伝子導入後、陽性原虫の作製に成功した。免疫蛍光抗体法を用いた観察の結果、MYCのシグナルは肝細胞に侵入後、スポロゾイトの形態変化した後に検出され、そのシグナルは原虫細胞膜局在性であった。現在、ng2の機能を詳細に解析するため、培養細胞・組換え体などを用いた実験を進めている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016 2015 2014
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 2 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 1 results)
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Volume: In press Issue: 1 Pages: 78-91
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