Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
共感についてのこれまでの先行研究では、その多くが、ヒトの共感に関わる脳機能が示されている一方で、脳機能の背景にある神経伝達物質、特に、報酬や行動制御に関わるドーパミンの役割についての理解はほとんど進んでいない。本研究は、共感の両価性(利他性と利己性)に着目し、それらが社会行動選択に及ぼす影響とその分子・神経機構を明らかにすることを目的とした。当該年度は、共感の利己的側面の神経基盤をfMRIを用いて同定し、[11C]racloprideを用いたPETにより測定したドーパミン神経伝達機能との関連性についての検討を、健常者13名において実施した。結果、PET計測で得た線条体のD2受容体結合能が高い人ほど、fMRI課題中に、利己的な判断を行う際の線条体の活動が高いことが判明した。さらに、利己性に関して、線条体外(大脳皮質)のドーパミン神経伝達機能の役割を検討するために、 [11C]FLB 457を用いたPET計測を健常者26名で実施した。利己性の指標として、マキャベリ知性の測定を行った。結果、社会性に関わる前頭葉眼窩面のD2受容体結合能が高い人ほど、マキャベリ知性が高いことが判明した。これらのfMRI研究、PET研究から、共感の利己性に、線条体及び線条体外のドーパミン神経伝達機能が関わっていることが、本研究から見出された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014
All Presentation (4 results) (of which Invited: 2 results)