Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
概日時計システムは、生体分子ネットワークが生み出す振動現象を理解し、人工遺伝子回路構築といった合成生物学分野へ応用するためのモデルとして極めて重要である。概日時計システムの発振系のメカニズムの解明が進む一方で、哺乳細胞時計が外的環境に応答して位相を双方向にシフトさせる同調機構に関する情報は不足している。本研究では、高い標的選択性を有する人工転写因子を設計し、これを用いて同調機構を理解することを目的とした。本年度は、DNA結合蛋白質として知られるジンクフィンガーを用いて、時計遺伝子プロモーターに選択的に結合し、任意のタイミングで機能を発揮するスイッチ型人工転写因子の作製を行い、これらのジンクフィンガー型人工転写因子の誘導量と細胞の概日時計の位相シフト量との関係に関して検討した。まず、転写活性化ドメインの影響を調べるため、種々の転写活性化ドメインをジンクフィンガーに融合し、プロモーター活性を示すドメインの選択を行った。また、レポーターアッセイによって、その人工転写因子が高いDNA結合配列選択性を有することを確認した。さらに、この人工転写因子の細胞内蓄積量をリガンド添加量によって調節できることを確認した。概日時計振動周期における様々なタイミングでリガンドを添加したところ、リガンド添加のタイミングによって、位相を前後にシフトさせることが可能なこと、またリガンド濃度に応じて位相シフトの変化量が変わることを明らかにした。血清やホルモンなど、従来用いられてきた同調刺激が様々な遺伝子に作用してしまうのに対し、本結果は、単一の時計遺伝子の活性化が細胞時計の位相シフトを誘起し得ることを示唆している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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化学と生物
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