2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
Project Area (Abbreviation) | グリーン触媒科学 |
Project/Area Number |
23A206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Area Organizer |
大井 貴史 名古屋大学, 工学研究科(WPI), 教授 (80271708)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Summary of the Research Project |
持続可能な社会の実現には、再生可能なエネルギーを活かして、必要な物質を遍在する資源から無駄なくつくりあげるグリーンな技術が不可欠である。しかし、それを担う有機合成化学では、熱エネルギーを利用したイオン反応が主流であり、原料として利用できる炭素資源の多様性は極めて低く、廃棄物を抑えて合成できる有機分子の構造も限られている。この現状を抜本的に変革するため、光や電気エネルギーを利用した触媒によるラジカル反応の制御法を開拓するグリーン触媒科学を創発する。A01無機錯体・固体触媒、A02有機分子・金属触媒、A03炭素資源変換の三班の協創により、分子の狙った位置にラジカルを発生させ、結合の形成を高度に制御できる触媒を創製し、あらゆる炭素資源から付加価値の高い有機分子を最短工程で合成するための分子変換法を開発する。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
有機合成化学は医薬や高機能材料などの有用物質生産のためのキーテクノロジーであるが、近年問題となっている石油資源の限界、エネルギーや二酸化炭素排出の制限などから、省資源かつ省エネルギー型への転換が必要とされている。本研究領域は、光や電気を活用した触媒によるラジカル反応に着目し、これの制御を実現することで、旧来の資源消費型のイオン反応から、省資源、省エネルギー型の物質生産を可能とするグリーン触媒科学を確立しようとするものである。また、本研究領域はこの分野で世界を先導する研究者が参画し、無機化学・固体触媒・有機分子触媒・金属触媒・炭素資源変換の各計画研究を遂行するとともに、共同研究環境をサポートする研究プラットフォーム(E-トリプレット)を整備している点も評価できる。
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