2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
Project Area (Abbreviation) | 超軌道分裂CIR |
Project/Area Number |
23B202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Area Organizer |
大矢 忍 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20401143)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Summary of the Research Project |
近年、本領域研究の申請者らにより、酸化物ヘテロ界面において、理論的に予測されてこなかった電場による種々の巨大な磁化応答が観測されている。これらは、既存の学問では十分には理解されてこなかった界面での特異的な軌道分裂「超軌道分裂」に起因していると考えられる。本領域研究では、様々な界面を用いて、外場(電場・磁場など)による物性応答(磁化・スピン・構造変化など)を詳細に調べることにより、『高効率なデバイス』の実現に結びつく新たな機能性を生み出す『界面学理』の構築を目指す。本現象を原子スケールで観測し、第一原理計算を用いて理論的に理解し、その結果を実験にフィードバックする循環型研究体制により、新たな現象や材料系を開拓していく。異種材料界面において、超軌道分裂の物理を理解し、高効率に制御することにより、外場による巨大応答を得る上で基礎となる新規の学問分野を創成することを目指す。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
本研究領域は、遷移金属酸化物ヘテロ界面に生じる巨大な磁化応答に注目し、電場・磁場などの外場による物性応答を調べることにより、高感度・高効率なデバイスに繋がる界面の学理の構築を目指している。工学的展開は興味深く、界面の特異な物性を特異な軌道分裂の視点で捉える高度な研究計画であると評価される。研究の進歩が速く競争の激しい分野でもあり、本研究領域に関する学問全体のパラダイムから見て、超軌道分裂という切り口でブレークスルーに至る展開戦略を明確にすることにより、さらに強力な研究領域を構築することが期待される。
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