2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
Project Area (Abbreviation) | 生物鉱学 |
Project/Area Number |
23B204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Area Organizer |
淵田 茂司 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (50762126)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Summary of the Research Project |
本研究領域では,これまで個別に研究されていた『地質学 (鉱床学)』・『微生物学』・『地球化学』の視点を融合させ,資源分野において『生物鉱学 (BIOre)』という新たな概念を構築する.海底熱水鉱床が生成するプロセスで,これまで軽視されてきた硫黄代謝微生物による鉱化反応(Sulfur Microbial Mineralization (SMM) 反応)について局所硫黄同位体分析 (A01班),遺伝子解析・培養試験 (B01班),量子化学計算 (C01班)により定量的に評価し,従来からの無機化学的・熱力学的反応に傾倒した鉱床生成プロセスの理解に変革を与える.さらに,鉱床成因のみならず,鉱物学的・生物学的反応機構の理解を通して理工学的な応用研究 (D01班) までを一気通貫に飛躍させ,サステイナブルな金属資源循環型社会の構築を見据えた研究課題へと昇華させる。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
本研究領域は、第一に、異分野融合の面白さがあり、パラダイムシフトに繋がる可能性があると高く評価される。独創性や国際的優位性に加えて挑戦的な研究領域である点も優れている。第二に、本研究領域が従来のバイオミネラリゼーションの枠組みを拡大させて、将来は微生物学-鉱物学の学際研究として学術変革領域研究(A)へと発展していくことも期待される。特に工業的応用への期待は高く、領域計画書において社会実装が重要視されている点も長所である。プロジェクトマネージャーを雇用して産学連携を強化する計画は優れており、また、ポスドクや学生という若手研究者の育成により、新興領域形成に次世代研究者を取り込もうとしている点も評価できる。本研究領域から微生物が関与する大規模鉱床形成モデルを構築し、新興領域形成に発展させることが期待される。
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