2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
分子触媒・反応場・反応解析法の革新と協奏:CO2光多電子還元の学理構築
Project Area (Abbreviation) | 光触媒協奏学 |
Project/Area Number |
23B208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Area Organizer |
中田 明伸 京都大学, 工学研究科, 講師 (20845531)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Summary of the Research Project |
太陽光エネルギーによる二酸化炭素変換、いわゆる人工光合成は、Carbon Capture and Utilizationの中でも理想的な技術候補であり、持続可能社会の構築に向けて熱望されている技術の一つである。しかし、傑出した研究は複数報告されているものの、従来の二酸化炭素光変換系は生成物の“自由度”が低いため実用化には程遠く、その抜本的な変革が必須である。本領域 は、光化学、有機化学、無機化学、錯体化学、生物化学、材料化学、触媒化学、物理化学、分光学、理論化学の垣根を超えて新進気鋭の若手研究者が一丸となり、分子触媒・反応場・反応解析の革新と協奏というコンセプトを通じて、真に社会に求められる有用化合物を獲得する「CO2光多電子還元の学理」を世界に先駆けて打ち立てることを目的とする。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
本研究領域は、光エネルギーによる二酸化炭素の固定、すなわち「人工光合成」に関するもので、カーボンニュートラルの観点からも重要である。具体的な内容としては、錯体触媒を用いた二酸化炭素の光多電子還元に焦点を当てており、2電子還元による一酸化炭素やギ酸生成にとどまらない光多電子還元がほとんど実現されていない現状を考えると、挑戦的な研究領域ともいえる。研究計画調書においても「実用化には程遠い現状」との危機感を持った上で、触媒開発、反応場構築、反応解析(分光測定、理論計算)の実力ある若手研究者が結集した構成となっており、今後の本研究領域の発展の核となっていくことが期待される。その第一歩として、本研究領域では、二酸化炭素光多電子還元の学理を追求することを目的としている。領域マネジメントの体制はよく計画されており、「バーチャルラボ」などの活動を通じて、研究者間の連携をすでに確立している点が評価される。
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