2025 Fiscal Year Comments on the Screening Results
Project Area (Abbreviation) | pH生物学 |
Project/Area Number |
25A304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Area Organizer |
荻沼 政之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 理研ECL研究チームリーダー (50825966)
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Project Period (FY) |
2025-04-01 – 2030-03-31
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Summary of the Research Project |
本研究領域では、生命活動に深く関わる根源的な化学的パラメータであるpHについて、その変動に対する生命の応答機構を徹底的に追究する。旧来の生命科学では、細胞質内pHは不変かつ安定的であるという誤った常識に支配されていたため、pH変動に対する生物応答は世界的にも未開拓であった。本領域は、pH変動があらゆる生物が直面してきた普遍的な課題であり、生命は「pHストレス」に柔軟に応答・適応し、さらにそれを「pHシグナル」として巧みに利用する仕組みを進化の過程で獲得してきたという新たな視点に立つ。即ち、多様な生物種と最先端pH可視化・操作技術を駆使した学際的・統合的戦略によりその仕組みを解明することで、旧来のpHの概念を変革する新しい学術領域「pH応答生物学」を確立させる。波及効果は発生学、医化学、環境生物学、進化学に留まらず、様々な生命科学領域で新たな学問の潮流を築くであろう。
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Outline of Opinions Expressed in the Review Results |
本研究領域は、生体内pHの変動が生物機能に与える影響を統合的に理解する「pH応答生物学」という新たな学術領域の確立を目指している。研究の中核として、生体のpHストレス応答機構の解明と、pH依存的な生体シグナル伝達系の解析を据え、これらの研究を効果的に進めるためのpH可視化技術及びpH操作技術の開発を並行して実施する。多様な背景をもった研究者が結集し、植物、動物、微生物といった幅広い生物種を研究対象とすることで、生物種を超えた普遍的なpH応答メカニズムの解明が期待される。
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