2015 Fiscal Year Research-status Report
高難度物質変換反応の開発を指向した精密制御反応場の創出
International Activities Supporting Group
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
15K21707
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70159143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 京子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60222197)
岩澤 伸治 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40168563)
林 高史 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20222226)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2020-03-31
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Keywords | 精密制御反応場 / 国際共同研究 / 白金錯体触媒 / C-H結合活性化 / カルボキシル化反応 / ボロン酸反応場 / 選択的アシル化 / 二酸化炭素固定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本領域における国際活動支援版の役割は、我が国が有機合成化学分野を先導するために緊急の課題である「精密制御した反応場構築による新しい学術研究への展開」を促進するために、国内の共同研究だけでなく国外のトップの研究者らとの交流および共同研究を強力に推進することで、本学術領域研究の目的である学際的融合を誘起し「精密制御反応場」の創出に大きく寄与することである。本年度、国際活動支援班では初年度の活動として国外の研究者との意見交換や、共同研究の立ち上げに注力した。具体的には岩澤(東工大院理工)がスイス連邦工科大学のJeffrey Bode教授と二酸化炭素の固定化反応や選択的アシル化反応の共同研究の内容に関する意見交換を行った。また、カナダ Alberta大学のEric Rivard教授とテルロフェンジボロン酸を用いる反応場の構築に関する共同研究を行った。その他にも野崎(東大院工)は既にカナダ ブリティッシュコロンビア大学のJennifer Love教授のグループとの共同研究を開始しており、同グループから2016年1月16日にShrinwantu Pal博士がポスドクとして来日し、白金触媒を用いるC-H活性化とそれに続くカルボキシル化に関する研究をおこなっている。これまでにLove教授の開発した配位子の錯体合成に成功しており、今後さらに触媒反応条件を検討する予定となっている。 その他の活動として、2015年度9月に立ち上げた領域HPにおいて英語ページを設立することで、国内だけでなく海外に向けても積極的に情報の開示を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
いくらかの班員は既に海外の研究室との共同研究や意見交換などの交流をスタートしているが、領域発足初年度ということもあってかその件数は多くなく、今後さらに活発な国際交流が求められる。また、国内の班員や若手研究者の海外派遣および国外の研究者の招聘においても今後より一層力を入れていくべき状況にある。以上のことから達成度としてはやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は、国際共同研究を加速する目的で、平成27年度から招聘しているカナダからの博士研究員の雇用に加え、日本側から博士研究員を海外に派遣する。 現時点では、本研究課題の研究分担者である林(阪大院工)の研究室に所属する博士研究員を、これまで共同研究を実施している生物工学が専門のドイツの研究室に派遣し(2年間)、タンパク質改変による生体触媒の開発を促進したい。また、真島(阪大基礎工)の研究室に所属する特任助教を、スイス連邦工科大学に2ヶ月半の期間共同研究を推進する目的で派遣する計画である。 また、連携研究者を含め本領域研究の活動を支援するコアメンバーであるInternational Advisory Board (IAB)を中心とした海外の研究グループとの行き来を積極的に行い、海外の第1線級の研究者との交流、「精密制御反応場」の概念と重要性の共有意識の確立、そして共同研究につながる積極的な取り組みを実践する。
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Causes of Carryover |
初年度に雇用を計画した博士研究員のキャンセルがあり、雇用の開始が遅れたことにより次年度使用額が生じた。現在、雇用にむけた交渉を進めている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
博士研究員の雇用の交渉を進めている。また、日本側からの若手研究員を海外に派遣する計画を立てている。
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