2018 Fiscal Year Research-status Report
海洋混合学の国際展開
International Activities Supporting Group
Project Area | Ocean Mixing Processes: Impact on Biogeochemistry, Climate and Ecosystem |
Project/Area Number |
15K21710
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80270792)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2020-03-31
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Keywords | 日露共同観測 / 鉛直混合 / 乱流 / ロシア海域 / インドネシア海域 / 台湾海域 / 海洋混合学 / 海洋生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本領域「海洋混合学」に関連する国際的な研究動向を調査した他、長期計画を踏まえ年度ごとに研究者招聘・派遣計画を検討・決定した。H30年度は、国境を超えた国際共同観測、特に、ロシア海域におけるロシア船観測、台湾との共同観測、インドネシアでの白鳳丸航海を実現することができた。このように海洋混合学が大きく前進した年となった。本経費で実施した国際活動は、HPや年度報告書等で順次公表した。◯GEOTRACESデータ整備会合 とOMIXとGEOTRACES国際プロジェクト間の連携強化 4/16-22への派遣◯春季の再成層化に伴う生物地球化学過程に中規模以下の物理現象が与える影響の解明: 4/20-5/2新青丸航海での国際共同航海実施◯台湾東冲海域における乱流日台共同観測の実施(5/10-5/20)と研究成果に関する打ち合わせ(10/25-10/27)◯北太平洋における生態系変動メカニズムの解明と予測可能性6/22-7/5 研究者招聘◯日露共同ロシア船マルタノフスキー研究航海における研究者12名派遣7/23-9/14◯日本海における鉛直混合過程の変化と貧酸素化に関する研究成果発信 2名派遣 9/1-9/9◯ワークショップ「北太平洋におけるBioGEOTRACESの展開」開催 9/17-24への研究者招聘◯高解像度領域海洋循環-魚類回遊成長結合モデルの高度化に関する国際共同研究10/25-10/27研究者招聘◯サブメソスケール現象及び内部波に起因する海洋鉛直混合が水産資源の生産に与える影響に関する共同研究及び第2回OMIX国際シンポ4名招聘10/25-11/5◯日露共同研究航海のデータ取り扱いに関する打ち合わせウラジオストク12/11-13研究者2名派遣◯新型グライダの運用研修 2/2-11
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国際活動支援班で長期計画に基づき策定した計画が達成されただけでなく、本領域研究での最重要ミッションの一つである国境を超えた国際共同観測が実現し、領域にとって大きな前進の年となった。H30年度4月における米国との新青丸KS-17-4航海共同観測を実施した。7-9月に実施したロシア船マルタノフスキーによるオホーツク海・カムチャッカ・西部ベーリング海での日露共同観測では、鉄・栄養塩と混合・輸送量の観測によって親潮の高い生物生産を遡って明らかにすることができる世界初のデータが収集された。また、黒潮の源流域である台湾海峡において台湾船による日台共同航海によって、黒潮が海峡を乗り越える際に強い混合が発生することが明らかとなり、黒潮の生産性に大きく貢献していることが明らかになりつつある。これまで殆ど観測ができていなかったインドネシア領海での乱流観測が日本船である白鳳丸航海で実現できたことは特筆に値する。これら国際共同観測に関わる研究者の派遣や招聘の他、国際共同プロジェクトや国際共同研究の会合、改良されたグライダの研修など、本経費は有効に利用された。
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Strategy for Future Research Activity |
本領域「海洋混合学」に関連する国際的な研究動向を常に調査する他、長期計画を踏まえ年度ごとに研究者招聘・派遣計画を検討・決定する。特に、東アジア諸国・欧米研究者との交流を図り、国境を超えた研究体制の構築を図る。本経費で実施した国際活動は、HPや年度報告書等で順次公表する。H31年度は、下記の国際活動を実施する。◯OMIX国際シンポジウム及びJpGU-OMIX関連セッションへの海外研究者の招聘及び国際共同研究8名招聘5/21-5/31◯2018年実施ロシア船航海のデータ公表に関する打ち合わせに関するロシア研究者4名招聘7/21-7/24◯Ocean Science Meeting (2020/2/16-21)OMIX関連セッションの構築及び研究者派遣2/15-2/23◯グライダ超音波流速計を用いた共同研究6/3-6/8研究者招聘◯2019 IMBeR 年次会議での海洋混合研究の動向調査派遣 6/15-6/22◯高速水温計による広域鉛直混合分布定量化共同研究7/1-7/7オレゴン州立大◯GEOTRACES関連セッションへの外国人招聘とOMIXとの連携強化3名招聘4/20-4/26◯台湾東冲海域乱流観測と事前準備会合5名派遣3名招聘6月4日間7月10日間1月4日間◯JpGU-黒潮セッションへの招聘 5/24-5/31◯SCOR/JOS GEOTRACESジョイントセッション5名招聘9/24-9/29◯生態系変動解明と予測可能性6/24-7/7招聘◯西部北太平洋動物プランクトンの群種構造の季節および経年変動解析6/15-6/24派遣◯非砕破乱流生成機構会合派遣9/2-9/7◯インドネシア海域潮汐観測のためのインドネシア船傭船費支出8/1-8/22(予定)
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Causes of Carryover |
本国際活動支援経費の使途を、国際共同研究・拠点・ネットワーク形成・国際共同観測・研究動向調査に限定しており、これらの比較的重い国際活動に重点的に経費を配分していることが経費の余剰に繋がっている。研究成果の国際会議での発表など比較的軽い活動にも経費を配分するならば、経費はより多くの機会に使用されることになるが、今後本領域研究の重要な成果などに限定して、成果を国際会議などで発信することを目的とした研究にも配分することを検討する。また、主要な成果についての論文の英文校閲経費やオープンアクセス経費に当てる。H31年度は、大型の国際共同観測があるため、旅費や輸送経費などの経費が高額であり、経費は有効に利用される予定である。
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Remarks |
各活動の計画及び報告は、随時webページに掲載 H30年度の報告は http://omix.aori.u-tokyo.ac.jp/international-activity/平成30年度国際活動支援報告書/ に掲載
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Research Products
(25 results)