2015 Fiscal Year Research-status Report
反応集積化が導く中分子戦略:高次生物機能分子の創製
International Activities Supporting Group
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
15K21713
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 浩一 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80192722)
|
Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2020-03-31
|
Keywords | 中分子 / 反応集積化 / 生物機能制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
中分子機能創製の国際ハブ拠点構想を実現するために、1)国際交流と情報発信、2)国際共同研究ネットワークの構築について支援した.具体的な活動内容は以下に示す. 公開国際シンポジウムThe 1st International Symposium on Middle Molecular Strategy (ISMMS-1) を2月7日に千里ライフサイエンスセンター(大阪)で開催した.本領域をリードする研究者としてJun-ichi Yoshida(Kyoto University),Tuoping Luo(Peking University),Masahisa Nakada(Waseda University),Antonio Molinaro(University of Napoli Federico II)を招待した.81名が参加し,有機合成の戦略、中分子の効率合成とその機能、世界最先端のケミカルバイオロジーなどに関して、活発な議論がなされた。さらに,ここで招待した招待講演者を大阪大学,京都大学,鹿児島大学,慶応大学,分子科学研究所に派遣することで,本分野の国際交流の活性化に勤めた. また,多くの本学術領域所属の研究者を海外における関連国際際学会に派遣した.特に,2015年12月に開催された環太平洋国際会議(Pacifichem 2015)においては若手研究者を含む10名を越える研究者を派遣し,本領域における我々のプレゼンスを示すとともに,若手研究者の育成の場としても重要な役割を果たしたものと考えている. 加えて,国際共同研究の促進も行った.Antonio Molinaro(University of Napoli Federico II)を大阪大学大学に招き,約1ヶ月にわたって綿密な共同研究の打ち合わせを行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本領域は、先の新学術領域研究「集積反応化学」を発展させて、機能性中分子の創製に結びつけることを目的としており、特に世界で本領域のみが有する中分子鍵化合物を合成し、世界中の研究者に供与する体制を築いて本領域を中分子機能創製の国際的なハブ拠点とすることを目指している。この構想を実現するために、1) 領域活動ならびにそれに連携させた学会活動を通じた国際交流と情報発信、2) 領域内の共同研究を背景として、個々の班員の国際共同研究を発展させた共同研究ネットワークの構築、を二つの柱にして、国際活動を支援する計画であった。計画通り,本領域の公開国際シンポジウムとしてThe 1st International Symposium on Middle Molecular Strategy (ISMMS-1) を開催し,本領域における国際交流の活性化に成功している.さらに,ここで招待した世界最先端の研究者を大阪大学,京都大学,鹿児島大学,慶応大学,分子科学研究所に派遣することで,本分野の国際交流を大きく活性化できたことは以上の進展である.また,関連国際学会への本領域メンバーの派遣という点でも,計画通りに行うことができた.加えて,この学会派遣では,若手研究者も積極的に派遣したことから,若手研究者の育成にもつながったと考えている. また,国際共同研究の推進,共同研究ネットワークの構築という観点では,計画よりも若干の遅れが見られる.ただし,Antonio Molinaro(University of Napoli Federico II)を大阪大学大学に招いたことで,共同研究に発展しており,一定以上の成果は出ている.
|
Strategy for Future Research Activity |
本国際支援班では,生物機能分子創製のために、領域代表者のリーダーシップのもと領域内ならびに領域外の二十数箇所の研究機関の共同研究を積極的かつ系統的に実施する。領域代表者は生物機能分子創製のための医学者、生物学者を中心とした国内外の数十カ所の研究者との国際的な共同研究ネットワークをすでに構築しており、これを拡大することで本領域研究が中分子研究のハブとして機能する国際的ネットワークを構築する。 また国内外との化学合成・分子機能連携を進め、若手研究者や学生を派遣することによる共同研究の推進と情報発信を図る。さらに産業界におけるイノベーションを導くために、領域代表者や計画班員の参画するフロー・マイクロ合成研究会などの学協会や直接的な共同研究を通じて、化学企業や製薬企業と有機的、実質的に連携し、画期的なイノベーションに結びつけることを目指す。 中分子合成ならびに反応集積化学の国際的推進のために、本年,第1回目を開催した国際会議International Symposium on Middle Molecular Strategy (ISMMS)を毎年主催する.加えて,関連国際学会において本領域の成果を積極的に発表する。平成30年には、第14回会議国際有機化学京都会議(IKCOC14) の組織委員長を領域代表者が努める予定であり、平成28年度、29年度、31年度には集積型有機合成国際シンポジウム(ISIS)を本領域研究が主催する。また,本領域のWebサイトの充実などにより、国内外への情報発信も積極的に行う. 加えて,海外研究者の招聘,領域メンバーの海外派遣なども積極的に行い,共同研究ネットワークのよりいっそうの国際共同研究ネットワークの強化を図る予定である
|
Causes of Carryover |
本年度は,初年度であり,予算の執行が11月以降であった.そのため,海外からの研究者の招聘などの都合がつかず,本年度の招聘を見送るケースがあった.また,同様に予算の執行が可能になる時期が遅かったことが原因で,国際シンポジウムを1度しか開催できなかった.さらに,国内の研究者の海外への派遣に関しても,領域メンバーを派遣するべき関連分野の学会の数が限られていた.一方で,2年目以降に関連分野の国際学会が多く開催されることが明らかになり,それらの学会への派遣費用として来年度へ持ち越すこととした. また,1年目は事務補佐員の採用が間に合わなかったことも原因である.事務補佐員の採用時期が予定より遅れたために,当初計画していた採用経費を来年度に回すこととなった.ただし,事務補佐員の採用が遅れたことによる計画の遅れは見られない.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り,国際シンポジウムの開催,関連国際学会への派遣,外国人研究者の招聘,若手研究者の海外派遣等をいっそう積極的に行う.加えて,1年目に招聘を見送った海外からの研究者の招聘もおこなう.また,本研究費で開催した国際シンポジウムThe 1st International Symposium on Middle Molecular Strategy (ISMMS-1) において,想定以上の参加者があったことを鑑みて,より規模を大きくして第2回国際シンポジウムを開催する.加えて,The 12th International Symposium on Organic Reactions(ISOR-12)and The 6th German-Japanese Symposium on Electrosynthesis(GJSE-6)やThe 10th International Symposium. on Integrated Synthesis(ISONIS-10)などの関連国際シンポジウムを共催することで本分野のいっそうの活性化を図る.
|