2015 Fiscal Year Research-status Report
原子層物質の国際的提供と共同研究の推進
International Activities Supporting Group
Project Area | Science of Atomic Layer Systems |
Project/Area Number |
15K21722
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 理一郎 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00178518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 美智子 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (10134818)
依光 英樹 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00372566)
長汐 晃輔 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20373441)
長田 俊人 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00192526)
塚越 一仁 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (50322665)
上野 啓司 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40223482)
越野 幹人 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60361797)
若林 克法 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50325156)
町田 友樹 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (00376633)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2018-03-31
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Keywords | h-BN / グラフェン / ナノシート / モアレ構造 / 量子ホール状態 / 電極材料 / SIC / 原子層分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(A)原子層材料、特に高品質h-BNの供給を通じた国際共同研究の推進、(B)国際共同研究推進による国際ネットワークの形成を進め以下の実績を得た。 (1)物質・材料研究機構の塚越らのグループは、2015年9月1日から2016年3月31日の間に国内外の研究機関(国外41件、国内2件)からh-BN試料提供の依頼を受け、35件に試料を送付し共同研究を開始した(8件は試料提供契約の手続中)。 (2)楠は、チェコ共和国のPetr Vasek博士(Institute of Physics AV CR)とSiC上グラフェンの強磁場中でのドープ効果特性を明らかにするため、SiC上単層、2層グラフェンのサンプルを作製し、サンプルを送付した。H28年度はチェコ側での測定が開始予定。楠/仁科は、Rutgers大学のHuixin He教授を招聘し、黒鉛を非酸化でグラフェン化する研究の理解を深めた。また、仁科もRutgers大学を訪問し、黒鉛の酸化および触媒反応の実験方法を実演した。グラフェンを触媒に応用する共同研究を進める。楠/坂本は、Wai-Yeung Wong教授(Hong Kong Baptist University)と金属錯体ナノシートの太陽電池への応用を検討した。 (3)依光は、アリゾナ大学 Jeffrey Pynn教授を京都大学ならびに名古屋大学に招聘し、硫黄を用いた原子層分子の連結による大型原子層の合成と応用について共同研究を進める議論を行った。越野は、New York 大学上海校の文泌景を東北大学に招聘し、グラフェンや原子層物質のモアレ構造の共同研究を展開した。町田は、ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所のMalcolm Connoly博士との共同研究を開始し、28年度からの原子層結晶の空間分解検出の実験の準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基金が内定(11月)、交付申請し、ただちに研究計画に関して相手方とスケジュール調整に入ったが、双方の準備や相手方の都合もあり、スケジュールが年度内に確定できなかったケースがあったため。また、訪問者の訪問直前の怪我により来日がキャンセルになったケースが1件あった。その他の平成27年度計画した短期招聘・訪問の場合には概ね予定通り招聘できたが、複数の中長期の計画(全体の約30%)に関して予算執行に至らなかった。 また本基金が採択されるにあたっていくつかの留意事項の指摘があり、領域として留意事項に対する対策をたてるため、長期的なビジョンと計画を再検討した。このため今年度中の予算執行に至らなかった計画がある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)2年度目は、4月から執行でき、計画が進行中のものが多いので、順調に計画が進むことを予定している。国際共同研究支援班で、計画の全体の進行状況を随時確認する。 (2)平成28年度から採用された公募研究班も国際共同研究支援班と共同で新たに国際共同研究が必要になる場合があることが期待できる。9月に開かれる全体会議までに調整をして、若干の予算投入を試みる。 (3)留意事項として指摘されていた、「個々の国際共同研究成果以上の仕掛けを作る」に対する方策について引き続き議論し、研究の推移を見守りつつ舵取りをする。少しグループ的な共同研究のような形に発展することも視野に入れている。 (4)世界の動向に注目し、また日本がどのように注目されているかを把握し、それを反映した平成29年度(最終年度)の予算投入の方針を決定する。
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Causes of Carryover |
長期出張に関する双方の機関の事務手続き、来日・出張のスケジュール調整が年度末の時期において、うまくいかなかったため。また、招聘または訪問して共同研究を開始するための準備としての試料作りなどが、計画通り進まなかったことがなどがもう一つの原因としてあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに、共同研究先との連絡は済んでいるので、次年度使用額の分並びに当該年度の計画は順調に執行する予定である。年度の途中で、共同研究の支援状況を再度把握して、必要に応じて新規公募研究班のメンバーも国際共同研究計画に入っていただき、国際共同研究を支援するような流動的な計画も視野に入れている。
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Research Products
(5 results)