2015 Fiscal Year Research-status Report
3D形態ロジックの国際共同研究を加速するバーチャル研究所
International Activities Supporting Group
Project Area | Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms |
Project/Area Number |
15K21726
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 滋 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10252503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 洋幸 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80179647)
上野 直人 基礎生物学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (40221105)
松野 健治 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60318227)
松本 健郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30209639)
芳賀 永 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (00292045)
井上 康博 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (80442929)
秋山 正和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (10583908)
大澤 志津江 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (80515065)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2020-03-31
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Keywords | 3D形態 / メカノバイオロジー / システムバイオロジー / シミュレーション / 数理モデル / 物理計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
1月5、6日、基礎生生物学研究所に於いて、「物理学は生物現象の謎を解けるか」という研究会を共通の学術的な視点を持つ「新学術班:ゆらぎと構造の協奏」と共同主催した。この会の目的は、今後、新学術班の活動を、どの様に世界的に広めていくかについて話し合うためと、海外の協力拠点となるシンガポールのメカノバイオロジー研究所との今後の協力体制について話し合うため(MBIからは遠山祐典氏が代表として参加)である。 他にも、共同会議あるいは共同プロジェクトを行うために、3つの海外の研究機関との話し合いを進めている。対象としている研究機関は、ウイーンのInstitute of Science and Technomogy(Carl Heisenberg博士)、University of California, Irvein(Ken Cho博士)、Princeton University(Michel Levine博士)、Harvard University(Sean Megason博士)である。ISTについては28年の11月に、UCIについては29年の前半、Princetonは29年の後半に共同会議を開催する打ち合わせを続けている。 その他、在外の研究者との共同研究として、コスタリカ大学で熱帯の昆虫学を研究している西田賢司氏との共同プロジェクトを開始した。本新学術班では、昆虫の3D形態形成原理の解明が、研究活動の中心となっているが、西田氏は、コスタリカに産する形態的に際立った特徴のあるツノゼミ類の分類を行っている。コスタリカ大学より研究資料を送ってもらうサイクルがスタートしている。 国際的な発信力を高めるためには、HPに載せる文章の質が重要であるとの認識から、海外のプロのサイエンスライターに文章の監修を依頼した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際協力関係の樹立には、どうしても、交渉相手とのすり合わせが必要になるため、実現にはある程度の時間が必要になる。本助成の活動期間の開始がH27年11月であり、年度末までにはプロジェクトを行う日程を設定することが難しいことが比較的早い段階で判った。そこで、無理に年内に消費して無駄になるよりも、予算を繰り越してしかるべき準備を整えて行うこととした。現在、複数のプロジェクトを順調に実現に向けて進行中であり、そのため、繰り越した予算もH28年度には、有効に消化できる予定である。 国際的な発信力を高めるためには、HPに掲載する文章の質が重要である。どんなにお金をかけてHPを作っても、つたない文章では、読む人の数は極めて少なくなることが容易に予想される。理想的には、英語のネイティブのサイエンスライターに書いてもらうのが一番である。スイス在住のサイエンスライターであるLeemans氏が、28年4月に日本に滞在することを利用し、それ以前にHPの文章の監修を依頼、さらに、滞在期間に各計画班員とのインタビューを行い記事にしてもらう事となった。残念ながら、Leemans氏都合で年度内の文章の納入ができなくなり、繰り越しとなったが、4月上旬の来日は予定通りになり、HPの文章と同時にインタビューを終え執筆に取り掛かってくれている。従って、この分の繰越金は、28年度前半に予定通りに執行できる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度企画したプロジェクトを実行に移していくことになる。 他研究機関との連携:シンガポールのMBI、ウイーンのIST、カリフォルニアのUCIとは、共同会議の開催を行うが、目的は、単なるシンポジウムでは無く、国際共同で行う研究プロジェクトを作ることと、研究員の交換を行う事である。本年度に、武田研の河西氏が、ハーバード大に派遣されて共同研究を行うが、同時に滞在する研究所と本新学術領域との緊密な関係の樹立を図る。河西氏は、本新学術班の班会議と夏合宿の両方に参加する予定であり、その際に、具体的な連携の方策を話し合うと同時に、班会議自体に、連携機関から参加者を招くことを予定している。 HPに海外からのアクセスを増やすことが、非常に重要と考えており、そのために、ネイティブのライターに計画班員の紹介記事を依頼した。今後も(予算の許す限り)各公募班員の紹介や、特徴的なプロジェクトの紹介記事を、分野外の研究者にも判りやすい文章で提供して行くつもりである。 コスタリカ大学との共同研究が既に始動しており、西田氏の来日(H28年3月)に続き、H28年度(あるいは、先方の都合により29年度)に近藤グループと大澤グループから数人を現地に派遣する予定である。コスタリカは昆虫の宝庫であり、生命現象の研究に於いて重要な種があまり知られずに存在している。共同研究を進めながら、それらの昆虫を世界に紹介することで、コスタリカの生命科学の発展にも寄与できると考えている。
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Causes of Carryover |
主な理由は、研究費支給の決定が11月で有ったため、先方との打ち合わせ期間が短く年度内に、終えることが難しかったためである。川西氏は当初27年度中にSean Meagan研に行く予定で有ったが、年度途中の移動に、先方の事務等が難色を示したため、大事を取って4月に移動した。ISTに派遣される予定で有った上野氏は、先方の予算での滞在が可能になったため、昨年度の本予算からの支給は見送った。サイエンスライターのLeemansによるHP文章の監修は、氏の仕事の都合で納入が、年度をまたぐことになった。しかし、川西氏は既に現地に赴任しており、Leemans氏のインタビュー等も既に予定通り実施されているので、繰り越しとなったが順調に執行されつつあると言ってよい。そのほかの共同プロジェクトに関しては、特に遅れは無い。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金(690万円)の用途としては、前年度に終えることのできなかったHPの英語監修(約50万円を予定)に使う以外は、各海外研究機関との関係強化に使用することになる。具体的には、Harvardの拠点に派遣した川西氏の滞在費、日本との往復、Harverd大の研究者の招へいが主な用途となる。金額としては、滞在費(525万円)、保険料(30万円)班会議参加交通費(35万円)4月渡航費(15万円)の他に、Harvあrdの研究者の招へい(35万円x人数)を見込んでいる。繰越金だけでは足りないので、28年度の分と合わせてこれ等を行う予定である。
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Research Products
(9 results)