2019 Fiscal Year Research-status Report
3D形態ロジックの国際共同研究を加速するバーチャル研究所
International Activities Supporting Group
Project Area | Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms |
Project/Area Number |
15K21726
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 滋 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10252503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 洋幸 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80179647)
上野 直人 基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 教授 (40221105)
松野 健治 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60318227)
松本 健郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30209639)
芳賀 永 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (00292045)
井上 康博 京都大学, 工学研究科, 教授 (80442929)
秋山 正和 明治大学, 先端数理科学インスティテュート, 特任准教授 (10583908)
大澤 志津江 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (80515065)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2021-03-31
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Keywords | 形態形成 / 昆虫 / 体節 / 回転 / 外骨格 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
国際研究集会 2019年10月21-22日の日程で、バルセロナのEMBLシステムバイオロジー研究所において、当新学術班とEUの研究所の先端研究者を集めでシンポジウムを開催する予定であった。しかし、開催の週になり、バルセロナで大規模なゼネストが決行され、空港が群衆に占拠されるという事態となり、航空機も多くが欠航になった。先方の研究所から、キャンセルの申し入れがあり、残念ながらそのシンポジウムは深いサイトなった。しかし、その3か月前に、領域代表の近藤が、EMBLを打ち合わせのために訪問しており、日本サイドの研究内容の報告と今後の協力関係についての話し合いを十分に行っている。コロナウイルスの影響が無くなったタイミングで、もう一度、開催する予定である。 国際研究協力 各計画班員の国際共同研究状況は、近藤=コスタリカ大、秋山=MBS(米)、オックスフォード大(英)、松野=ベイラー大(米)、メカノバイオロジー研(シンガポール)、マンチェスター大(米)、武田=ハイデルベルグ大(独)、井上=パーデュー大(米)、ルイジアナ州大(米)、大澤=USIC-UAM(米)、香港大(中)、と引き続き順調に続いている。 近藤とコスタリカ大の共同研究は、これまで、サンプル供給が主であり、コスタリカ大サイドは、論文の著者リストに入っていなかったが、2018年から、研究内容に関しても協力体制が整いつつある。2020年1月には、コスタリカ大学との最初の共著論文を出版することができた。2019秋のコスタリカ遠征では、現地において、昆虫の形態形成に関する研究集会を開催し、情報交換を行うとともに、今後の研究協力について打ち合わせをした。コスタリカ大との共同研究は、本領域研究に必須であり、領域終了後も、引き続き行われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バルセロナでの会議は、ゼネストのためにキャンセルとなってしまったが、そのために行った準備は継続して使用可の状態にあり、コロナ問題が解決したのちに、再決行するということで、EMBLサイドと確約している。また、準備の段階での人的な交流が活発に行われていたため、シンポの遅れ自体は、大きな負の要因とはなっていない。全体的に、国際協力研究は、特に、特別な会を開催することに依存しなくても、自然に継続できる体制になっている。 本領域の最大の課題である昆虫の外骨格形態形成研究に関しては、サンプル提供の必要があり、コスタリカ大との協力体制を安定に維持することが必要であったが、それは、この国際協力支援費のおかげで、達成することができた。サンプルを国外に持ち出すことは、コスタリカを含む多くの国が厳しく禁止しており、この数年、それは特に難しくなっている。しかし、この5年間の協力体制という実績があるおかげで、2019年も、現地ジャングルにおける最終活動と、サンプルの日本への輸送の許可が下りた。これは、コスタリカ大生物学部のハンソン教授の尽力により可能となったものであり、心より感謝したい。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、バルセロナでの研究集会が中止になったため、現地での開催費用が宙に浮いてしまっている。中止決定直後は、半年後に決行ということでEMBLと話が進んでいたが、コロナのために、いつ開けるかわからない状態にある。ただ、今年度(2021年度)の末頃には、ある程度解除されることを見込んで、開催の準備を進めたい。 各班員に関しても、海外との協力は、それぞれの班員の研究に無くてはならないものとなっているため、今後も、問題なく継続するだろう。新学術の支援は終わるが、当新学術班は、少なくとも計画班員に関しては、班員間の協力体制が密接であり、バラバラになることはあり得ない。そのため、海外との協力体制も、個人間ではなく集団と集団の関係になっているため、維持することが容易である。今後、班が終了しても、何らかの資金を探して、継続的に国際研究集会を開く計画をしている。 コスタリカ大学との研究協力は、是非これからも拡大していきたいという現地との合意ができている。せっかくの協力体制なので、今後、昆虫学会、動物学会などで参加者を募り、ツノゼミ以外の研究対象にも広げていきたい。
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Causes of Carryover |
2019年10月に、バルセロナのEMBLシステムバイオロジー研究所と共催で、3D形態形成の国際シンポジウムを開催する予定で準備を進めていたが、直前になり、バルセロナで大きな班西部デモが起こり、空港が群衆に占拠されるという緊急事態が起きた。EMBLの主催者サイドから、強行すると参加者の安全が保障的ないとの理由で、国際シンポジウムはキャンセルとなり、そのため、次年度使用額が生じた。現在、コロナウイルスの蔓延のために、次回の国際シンポの予定が立っていないが、先方とは、集会が解禁になり次第、行うことで合意している。今のところ2021年2月に行えるのではないかということで調整中。もう一つの可能性としては、コスタリカへの遠征を、再度行うことを考えている。中米方面のコロナの状況にもよるが、国際シンポよりも人数が少ないので、可能性は高い。
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Research Products
(38 results)