2015 Fiscal Year Research-status Report
宇宙における分子進化研究の国際連携・分野間融合への展開
International Activities Supporting Group
Project Area | Evolution of molecules in space: from interstellar clouds to proto-planetary nebulae |
Project/Area Number |
15K21735
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
香内 晃 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60161866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 省吾 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50361564)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2018-03-31
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Keywords | 分子進化 / 星間分子雲 / 原始惑星系 / 氷 / 有機物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本領域は我が国の研究者が各分野でおこなってきた研究が成熟してきたこと,ならびにALMA望遠鏡の運用開始,彗星や小惑星への相次ぐ探査計画の推進により,宇宙科学において氷や有機物などの重要性が高まっていることを踏まえ,国内での各分野での最先端研究を融合し,世界に類のない学際融合研究として発展させ,宇宙での物質の進化を統一的に理解し,惑星系形成論に化学的視点を初めて導入することをめざし,発足したものである.この新たな学融合研究創出が宇宙分子進化研究のブレークスルーとなることを世界に積極的に発信する.また,日本発の学融合研究をさらに確固たるものにするための国際連携を強化する.さらに,関連分野で国際的に活躍する次世代研究者の育成に努める. 国際研究ネットワーク強化のため,スペインのInstitute of Structure of Materials-CSICと北海道大学低温科学研究所の研究者が相互訪問し,ワークショップ「Astrophysical Ices in the Lab」をマドリードで開催した.特定のテーマを深く議論することができ,2研究所間の交流協定締結につながった.また,国際ワークショップ「Solar-System Symposium in Sapporo 2016」の前後にConnolly Harold教授を招聘し,シンポジウムで発表・討論に参加して頂くとともに,北海道大学理学部や低温科学研究所で宇宙分子進化の議論を行った. 次世代研究者育成では,若手研究者(菅原春菜,JAMSTEC)をソフィア・アンティポリス大学およびエクス-マルセイユ大学に派遣し,分子雲有機物の分析法について議論・情報収集した. 大型国際計画との連携では,OSIRIS-REx科学チームとの共同研究促進のための会合に分担者橘省吾をOSIRIS-REx科学会議に派遣した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際研究ネットワーク強化,次世代研究者育成,大型国際計画との連携は計画通りに行われた. 国際研究ネットワーク強化では,スペインのInstitute of Structure of Materials-CSICと北海道大学低温科学研究所の研究者の相互訪問により,ワークショップ「Astrophysical Ices in the Lab」の開催や,共同研究の実施,さらに2研究所間の交流協定締結につながった.また,国際ワークショップ「Solar-System Symposium in Sapporo 2016」の前後のConnolly Harold教授の招聘により,シンポジウムでの活発な議論や北海道大学での更なる議論を行い共同研究を進めつつある. 次世代研究者育成では,若手研究者(菅原春菜,JAMSTEC)のソフィア・アンティポリス大学およびエクス-マルセイユ大学への派遣により,分子雲有機物の分析法について議論・情報収集し,分子雲実験班が作製した有機物の分析の高精度・高感度化が期待されている 大型国際計画との連携では,OSIRIS-REx科学チームとの共同研究促進のための会合に分担者橘省吾をOSIRIS-REx科学会議に派遣し,橘がOSIRIS-REx科学チームへ参画することに繋がった. 以上のことから,研究は,ほぼ当初の計画通りに進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には,当初の計画通り研究を推進していくことで,研究目的を達成できると考えている. 国際研究ネットワークの強化(招へい)では,海外から指導的立場の研究者を2名程度,2週間程度招へいし,「宇宙分子進化シナリオ」の深化・拡張に関する議論をおこなう. 海外の若手・中堅研究者を2名,のべ4ヶ月程度,招へいし,本領域との共同研究をおこなう. 国際研究ネットワークの強化(派遣)では,本領域の若手・中堅研究者を2名,のべ6ヶ月程度,海外研究機関に派遣し,本領域の研究に関連した共同研究を実施する. 次世代育成では,海外研究機関の施設・装置を利用した研究,および関連分野の海外研究機関を訪問し研究発表や議論をおこなうために,若手研究者数名を2週間程度派遣する.若手研究者2名をインターンとして,海外研究機関に派遣し,1ヶ月程度,研究に関する議論,共同研究および交流の機会をもたせる.また,海外研究機関の若手研究者を1ヶ月程度受け入れ,本領域の研究に参加させる. 国際大型計画との連携では,ALMA望遠鏡,OSIRIS-RExなど国際大型計画に関連した議論のために,本領域研究者数名の派遣を支援し,本領域の成果の発信ならびに協力体制の強固に努める.
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Causes of Carryover |
3月に外国人研究者を2名招へいして九大で共同研究およびワークショップを開催することを計画していたが, 先方の都合で来日が難しくなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
6月か7月に招へいを予定している.
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Photochemistry in Molecular Cloud: Evolution of Ice and Organic Residues through Warming and UV-Irradiation2016
Author(s)
L.Piani, S. Tachibana, T. Hama, I. Sugawara, Y. Oba, H.Tanaka, Y. Kimura, A. Miyake, J. Matsuno, A. Tsuchiyama, H. Yurimoto, A. Kouchi
Organizer
Solar-System symposium in Sapporo 2016
Place of Presentation
Rusutsu Resort, Rusutsu, Hokkaido, Japan
Year and Date
2016-02-17 – 2016-02-19
Int'l Joint Research
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