2016 Fiscal Year Research-status Report
共感性の進化・神経基盤
International Activities Supporting Group
Project Area | Empathic system |
Project/Area Number |
15K21739
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 壽一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30172894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊水 健史 麻布大学, 獣医学部, 教授 (90302596)
駒井 章治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (50420469)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2018-03-31
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Keywords | 共感性 / データ管理 / 動物倫理 / 共同研究 / 若手支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年に決まった新たな国際共同研究を具体的に実施すべく、以下の長期出張や若手の共同研究先での実験実施などを行った。特に若手育成を中心的課題に掲げた。 渡辺班(4件)フランス(パリ大、8月、若手、オウムの協力行動に関する研究調査)・オーストリア(ウィーン大、8月、分担者、複数種間のカラスの協力行動に関する比較研究)・ベルリン(マーデブルグ大、ビーレフェルト大、9月、PI、デグーの社会的選好における視覚と聴覚の役割)とフランス(パリ大、9月、PI、インコを用いた社会的親和性の検討)・フランス(ストラスブール大、3月-4月、若手、霊長類の共感性種間比較研究) 長谷川班(4件)UK(リンカン大、サセックス大、6月、若手、カメとウマの社会行動に関する実験)・アトランタ(ジョージア州立大、11月、若手、霊長類の不公平性忌避に関する実験)・淡路島(モンキーセンターへ米国共同研究者の招聘、12月、ニホンザルの社会行動調査)・UK(リンカン大、エクセター大、ポーツマス大、3月、PI、霊長類の社会行動に関する研究) 亀田班(1件)オランダ(アムステルダム大、7月、分担者、ヒトの社会行動に関する調査) 菊水班(2件)米国(シカゴ大、7月-9月、若手、ラットの助け行動に関する情動の役割解明)・米国(ニューヨーク大、10月-3月、若手、マウスの社会性に関わる脳部位での電気生理学的特性の理解) 駒井班(1件)タイのNECTECとの共同研究(神経活動を3Dで捉えられる顕微鏡の開発)を開始。共感性を支える神経回路の解明にとって大きな一助となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にもある通り、本年度は当初より予定していた研究計画を各班粛々と進めており、最終年度に向けて成果を出せるよう、それぞれの共同研究者と議論を進めている。また、若手の海外派遣(菊水班、米国2件など)も予想以上の成果を出しており、次年度の派遣もすでに決まっている。また、年度途中から、駒井班を分担者に加え、タイの共同研究者とともに、実際の脳深部での神経活動を3Dで捉えることができる電子顕微鏡の開発に着手した。これは、共感性を支える神経回路の解明にとって大いなる一歩となる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度となるが、現在走っている各研究の成果を纏めていくことを念頭におき、追加の実験・調査などを行い、論文化を目指す。また、若手の海外派遣については、予算と受け入れ先が許す限り継続して実施し、国際的に通用する研究者の育成に努める。日本への受入れについても、先方からの希望があれば柔軟に対応できるよう、受入れ先の手配などを進める。HPへの研修報告の配信、ニュースレターへの記事の提供など、これまでの国際班での活動を領域内外へ情報発信していく。
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Causes of Carryover |
今年度計画していた国際共同研究のうち、尾仲班と長谷川班分担者の実施予定だったものが、先方の事情により、次年度に持ち越しとなったため。 駒井班の電子顕微鏡については、顕微鏡組み立てに必要なファイバーを購入予定だったメーカーが生産を中止してしまい、部材の調達に時間がかかってしまったため、組み立てを次年度に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
尾仲班 エジンバラ大学へのPIの出張と若手研究者の短期研修 で 1,200,000円を支出予定。 長谷川班分担者の橋彌先生の国際共同研究で、オックスフォード大学他UK出張とアルバータ大学他米国出張で1,000,000円を支出予定。 駒井班の電子顕微鏡は、年度初めに部材を調達し、組み立て、研究に活用する予定である。
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Research Products
(9 results)