2018 Fiscal Year Research-status Report
「新生鎖の生物学」推進のための国際連携
International Activities Supporting Group
Project Area | Nascent-chain Biology |
Project/Area Number |
15K21743
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田口 英樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (40272710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 利文 東北大学, 薬学研究科, 教授 (40242812)
田中 元雅 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (40321781)
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任教授 (50142005)
藤木 幸夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 特任教授 (70261237)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2020-03-31
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Keywords | 新生鎖 / フォールディング / リボソーム / シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
【田口】コロラド州立大学のT. Stasevich博士とリピート関連非AUG翻訳の生細胞での可視化で共同研究を行っており、現在可視化に使う遺伝子の準備をしている。 【稲田】ドイツミュンヘン大学Beckmann博士との国際共同研究により翻訳品質管理の標的となる2つのリボソームが衝突して停滞した構造をクライオ電顕で解明した(Ikeuchi et al EMBO J. 2019)。 【田中】昨年度にほぼ確立させた、リボソームがバリンヘアピンmRNAを解いてmRNAを翻訳していく様子の実時間観測について、タンパク質の合成途中を観測する際に必要とされる実験系の構築を行った。 【河野】小胞体ストレス応答に関与するXBP1uタンパク質が引き起こす翻訳一時停止について、リボソームトンネル内でどのような立体構造をとって一時停止を起こしているかを知るためにミュンヘン大学のRoland Beckmann博士のグループとクライオ電顕による構造解析を行なっている。 【藤木】国際共同研究を海外4拠点で進めた。デングウイルスの感染・複製とtail-anchored (TA)膜タンパク質のシャペロンの関連性の解明(Stanford大学Frydman研)。カタラーゼのサイトゾルへの局在化(Stanford大学Bassik研:論文投稿中)。プラスマローゲンの合成障害マウスの小脳の解析(Wien医科大学Berger研:改訂論文投稿中)。TAタンパク質Pex26pのF51L変異による聴覚低下・損失の解析(Columbia大学Chung研:Tanaka et al. Cold Spring Harb. Mol. Case Stud. 2019)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【田口】ヒト培養細胞にて一本のメッセンジャーRNAにて翻訳が起こって新生ポリペプチド鎖(新生鎖)が合成されるようすを生細胞にて観察する実験系にて、翻訳に共役した新生鎖フォールディングとリピート関連非AUG翻訳(RAN翻訳)を可視化してその分子機構を解明することを目的とした共同研究を行っている。現状では、新生鎖フォールディングではフォールディングの可視化プローブの作成、RAN翻訳では病気に関わる塩基リピート配列のクローニングにより可視化ベクターの構築を行っている。 【河野】翻訳一時停止に必須配列の一部がターン構造をとりリボソームトンネルを構成する因子と相互作用し、AサイトへのtRNAが入りにくくなっていることが大きな要因と考えられることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
【田口】新生鎖フォールディングに関しては、カナダよりフォールディングの可視化に使えるプローブを入手したのでそれの精製、評価を行う。RAN翻訳については、塩基リピートを含むDNAのクローニングに新たな方法を取り入れて完成させ、可視化実験に移る。 【河野】リボソーム内のペプチド結合形成中心近傍のターン構造が翻訳一時停止を起こす主要因と考えられるが、その前にXBP1uのPro238番目のプロリンとリボソーム狭窄部位とが相互作用を起こすことがきっかけと考えており、それを証明する方向で研究を進めている。
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Causes of Carryover |
【田口】新生鎖フォールディングではフォールディングの可視化プローブとして想定していたモデル系がうまくいかないことが判明し、新たに抗体断片を請求するところから始めたので昨年度中に終了できなかった。また、RAN翻訳では病気に関わる塩基リピート配列が通常のクローニング法ではできず、遅れが生じて。以上の理由で次年度に使用することとした。どちらの実験も準備ができ次第、コロラド州立大学にて研究を実施するので旅費・滞在費、実験に必要な試薬等で予算を使用する。 【河野】Xbp1uによる翻訳一時停止の分子機構の解明が遅れており、まだドイツで行う予定のクライオ電顕に進めないので次年度に延長することとした。分子機構の一端が解明して、クライオ電顕サンプル調製の目途が立った段階でドイツのBeckmannラボにて構造解析を行うために研究費を使用する。
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[Journal Article] Molecular basis for diversification of yeast prion strain conformation2018
Author(s)
Ohhashi Y., Yamaguchi Y., Kurahashi H., Kamatari Y.O., Sugiyama S., Uluca B., Piechatzek T., Komi Y., Shida T., Muller H., Hanashima S., Heise H., Kuwata K, and Tanaka M.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.
Volume: 115
Pages: 2389-2394
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Pathological mechanism of peroxisome biogenesis disorders2019
Author(s)
Yuichi Abe, Masanori Honsho, Ryota Itoh, Ryoko Kawaguchi, Masashi Fujitani, Kazushirou Fujiwara, Masaaki Hirokane, Takashi Matsuzaki, Keiko Nakayama, Ryohei Ohgi, Toshihiro Marutani, Keiichi I. Nakayama, Toshihide Yamashita, and Yukio Fujiki
Organizer
EMBO Workshop “Current advances in protein translocation across membranes”
Int'l Joint Research
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