2017 Fiscal Year Research-status Report
地下研究施設国際ネットワークによる宇宙の歴史の解明
International Activities Supporting Group
Project Area | Revealing the history of the universe with underground particle and nuclear research |
Project/Area Number |
15K21747
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 邦雄 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 教授 (10242166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 康宏 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (30374911)
作田 誠 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (40178596)
身内 賢太朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80362440)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2019-03-31
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Keywords | 極低放射能 / 二重ベータ崩壊 / 暗黒物質 / 超新星ニュートリノ / 地下研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高分解能な極低温熱量計を、フッ化カルシウムシンチレーション結晶と組み合わせ、粒子識別が可能な極低温蛍光熱量計としてニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索に適用するため、クライオ技術・超高感度温度読み出しなどの習得を目的として、韓国のAMoRE実験と協力して韓国IBS研究所に置いて試験実験を行い、粒子識別性能や検出器特性の調査を行なった。 感度を持つ暗黒物質実験の国際ネットワークを展開し、英国シェフィールド大・フランスLPSC研究所・CERN・中国ジンピン地下実験施設などと協力して、国際共同で国内での検出器試験を行うことを決定した。英国が検出器本体、日本が試験チェンバー及び配管・検出器搭載用のプレートを準備する。また、原子核乾板を使った暗黒物質探索としてイタリアナポリ大・グランサッソ研究所などと協力してグランサッソ地下施設において装置の設置調整を行った。 世界最先端でのWIMPs暗黒物質探索に貢献するため現在世界最大級の計画であるXENONnT国際共同実験への参加が決まり、その支援を始めた。 過去の超新星爆発由来のニュートリノ探索においては、スーパーカミオカンデに反電子ニュートリノ識別能を持たせるためのガドリニム添加計画が順調に進展しており、ガドリニムの熱中性子吸収におけるγ線スペクトルの精密測定とモデル比較を実施するための外国人研究員の雇用を支援した。さらに重力波とニュートリノ、さらに光学のマルチメッセンジャー観測のための国際ネットワーク構築を支援している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
方向に感度を持つ暗黒物質探索において強固な国際ネットワークを構築し、具体的な共同実験を開始できた。 また、ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索においても極低温蛍光熱量計開発において新たに韓国グループとお互いの技術を持ち寄り高度化するための協力を開始し、試験実験を既に始めている。 暗黒物質探索が大型実験に集約されていく国際情勢の中、現在最大規模の実験計画であるXENONnT実験への参加が決まり、その支援も始めた。これらの具体的な国際協力による研究の進捗は当初の予定より早いペースで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
極低温蛍光熱量計の開発としては、国内に開発環境を構築するとともに、韓国IBS研究所・標準科学研究院と協力してさらに信号読み出しの高性能化を行なっていく。また、新たに超電導読み出しKIDを導入し、多チャンネル化に対応するとともに、観測閾値を大幅に下げて低質量の暗黒物質探索にも応用していく。 暗黒物質探索においては、標準的なWIMPs探索における世界をリードする感度での探索に貢献するために、XENONnT実験への参加を支援し、ニュートリノフロアに到達する究極的な感度達成に必要な技術を醸成する。方向感度を持った暗黒物質探索においては、将来の大型化技術の開発とともに、最適化構成を模索するための国際共同利用の環境構築を支援する。
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Causes of Carryover |
採択時のコメントを反映させて研究員の雇用の一部を旅費に振り替えている。具体的な国際協働が複数進展しているので、海外での活動を継続できるように、外国旅費を中心にそれらの活動を支援する。
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Research Products
(8 results)