2018 Fiscal Year Research-status Report
稲作と中国文明-総合稲作文明学の新構築-
International Activities Supporting Group
Project Area | Rice Farming and Chinese Civilization : Renovation of Integrated Studies of Rice-based Civilizations. |
Project/Area Number |
15K21756
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慎一 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80237403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 葵 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特任准教授 (40455233)
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2020-03-31
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Keywords | 考古学 / 新石器 / 稲作 / 都市形成 / 中国文明 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際活動支援班の主たる役割は、国際共同研究の推進や海外ネットワークの形成にある。これらの目的を達成するためには総括班との連携を欠かすことができない。したがって、2018年度は総括班と合同で計3回の会議を開催した。 特に国際共同研究を深化させるための海外研究者の招聘が重要な議題となり、2018年度には8月に開催した「Faunal utilization during the Prehistoric age in the Pan-East China Sea region」国際シンポジウムに中国より3名、アメリカより1名の研究者を招聘した。同じく8月に弘前で開催した領域全体会議では、南京農業大学より農業史の専門家を招聘し、最新の稲作史研究について研究交流を行った。さらに10月には北京大学より中国新石器時代研究の専門家を東京に招聘し、良渚遺跡群の年代について検討会を開催した。年度末に開催した「稲作と中国文明」講演会では、浙江省文物考古研究所と南京博物院考古研究所より計4名の研究者を招聘し、金沢で意見交換を行う場を設けた。 国際研究集会については、上記した2つのシンポジウムのほか、6月に中国南京で開催されたSEAA Conference Nanjing 2018における3つのセッションを企画・開催した。それぞれのセッション共に各国からの研究者で席が埋まり、本領域の研究成果は多くの注目を集めた。 また、9月に開催した「田螺山キャンプ」についても、総括班と共に参加者の選定などを行い、若手研究者に研究の場を提供するとともに、本領域メンバーとの研究交流の機会を設けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際共同研究の促進という点では、極めて効率的に外国人研究者の招聘を行うことができている。例えば、「Faunal utilization during the Prehistoric age in the Pan-East China Sea region」では、関連する動物考古学者を招聘し、その成果を相互に提示することで研究内容の共通点と相違点を明らかにした。その結果、研究成果の精度をより高めることに成功した。また、8月の南京農業大学に在籍する中国農業史の専門家や10月の北京大学で新石器時代研究を行う専門家の招聘では、これまで曖昧なままであった年代論や稲品種の問題などについて最新の見解を示してもらい、関連する認識を改めることができた。このように、領域にとって何が不足しているのかを見極めたうえで研究者の招聘を行ったため、無駄なく研究内容の向上に努めることができた。 国際研究集会については、領域全体で一定の成果が出始めたために、当初の想定以上に開催することができた。田螺山キャンプについても、本年度は中国から3名の研究者に参加してもらい、研究交流を円滑に進めることができた。また、前年度以前の参加者とも交流を継続しており、共同して研究発表や論文執筆に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は最終年度ということもあり、研究成果を日中共同で検討する機会を設ける。したがって、複数名の中国人研究者あるいは本領域に関わる海外研究者の招聘を行う。また、その他にも領域メンバーによる個別の国際会議への参加や英文・中文雑誌への投稿も予想されるため、それらのサポートも行う。これらに係る具体的な計画は、4月に総括班と合同で会議を開催し、決定していく予定である。 最終報告として共同研究成果の出版を計画しているが、中国側との打ち合わせが必要となった場合は、国際活動支援班として積極的に現地に赴くようにする。そして、最終報告の円滑な出版に貢献できるよう努める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、以下の2点を挙げる。 1点目は、研究対象遺跡の世界遺産申請に伴う現地調査の中止により、関連する予算を執行できなかった点が挙げられる。2点目は、当初、研究交流を行う予定であった海外研究者と日程の調整がつかず、招聘がかなわなかった点である。 2019年度は、夏季までに調査遺跡の世界遺産関連の作業も終わるとのことなので、当初の予定に沿って研究を進め、関連予算を執行する。また、招聘がかなわなかった研究者についても、最終年度の研究成果をより充実した内容にするため、繰り越した予算により招聘する予定である。
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Research Products
(35 results)
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[Journal Article] 「A paleopathological approach to early human adaptation for wet-rice agriculture: The first case of Neolithic spinal tuberculosis at the Yangtze River Delta of China2019
Author(s)
Okazaki, K., Takamuku, H., Yonemoto, S., Itahashi, Y., Gakuhari, T., Yoneda, M., Chen, J.
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Journal Title
International Journal of Paleopathology
Volume: 24
Pages: 236-244
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Paleo diets reconstructed from food residue in pottery in Lower Yangtze area using lipid analysis and compounds-specific and bulk stable isotope composition2018
Author(s)
Miyata, Y., Kubota, S., Kobayashi, M., Nishida, Y., Horiuchi, A., Miyauchi, N., Yoshida, K., Sun, G., Wang, Y. and Nakamura, S.
Organizer
SEAA Conference Nanjing 2018
Int'l Joint Research
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