2019 Fiscal Year Research-status Report
稲作と中国文明-総合稲作文明学の新構築-
International Activities Supporting Group
Project Area | Rice Farming and Chinese Civilization : Renovation of Integrated Studies of Rice-based Civilizations. |
Project/Area Number |
15K21756
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慎一 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80237403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 葵 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 客員准教授 (40455233) [Withdrawn]
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2021-03-31
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Keywords | 考古学 / 新石器 / 稲作 / 都市形成 / 中国文明 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際活動支援班は、領域全体が海外研究機関との活動をスムーズに行い、研究ネットワークを強化するため、それらのサポートを行う役割を担う。ただし、これらの活動は総括班による全体計画に沿ったものとなる。したがって、2019年度には4月と1月の2回にわたり合同会議を開催し、国際活動に関する計画とその実施について意見交換を行った。 2019年度は、主な国際活動として3つの国際研究集会を計画した。一つは、8月に日本の奈良教育大学にて開催した総合稲作文明学シンポジウム「触発する文明ー長江と黄河ー」である。これについては、中国の北京大学および陝西省考古研究院より第一線で活躍する研究者を招聘し、さらに本領域で重要な成果をあげたメンバーを加えた内容とした。二つは9月に中国浙江省文物考古研究所にて開催した総合稲作文明学成果報告会である。これは、これまでの5年間にわたる中国側との共同研究期間で得た研究成果を日中相互に発表し、成果のすり合わせを進めることを企図した研究集会である。最後は、2月に計画した総合稲作文明学シンポジウム「中国文明への胎動」である。中国の複数の共同研究機関から研究者を招聘し、さらに日本側からの研究者も加えた本領域の集大成ともいえる国際研究集会になるはずであった。しかし、昨今の新型コロナウィルスの流行により、開催を延期せざるを得なくなった。本シンポジウムは研究期間全体の総括を行う場となるため、2020年度中に改めて開催する予定である。 その他、11月に浙江省文物考古研究所より依頼された出土土器の化学分析についても日中共同研究とし、日本側より3名の若手研究者を浙江省に派遣した。 以上のように、2019年度は研究成果の日本内外への発信および海外研究機関との成果の共有を中心に活動を進め、さらに新たな共同研究の推進についてもサポートを行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、研究最終年度ということもあり、共同研究機関との研究成果の共有および国際的な研究成果の発信に重点を置いた活動となった。実際、8月と9月に日本および中国で行った国際研究集会を通して、これまでの研究成果を共同研究機関の研究者と共有することに成功し、領域全体としての最終成果の方向性を改めて確認することができた。特に、中国の第一線で活躍する研究者と交流を行うことで、廬山ボウ遺跡や良渚遺跡群などの中国文明成立の鍵となる遺跡の最新情報を提供してもらい、中国文明成立へのより詳細な道筋を描くことができるようになった点は極めて有意義であった。また、成果の発信という点では、9月に中国にて総合稲作文明学成果報告会を開催したことは非常に重要である。参加者には、本領域および浙江省文物考古研究所の関係者以外にも、南京大学や河海大学など外部の研究者も参加し、本領域の研究成果を広く海外に発信することに成功した。 ただし、研究実績の概要でも記したが、本領域の集大成と位置付けた最終国際シンポジウムが新型コロナウィルスの影響で延期となった。国際シンポジウムの開催は、複数の海外研究者を招聘して研究交流を図る本研究課題の目的の中でも、極めて重要なタスクである。したがって、2020年度には必ず開催できるよう準備を進めておく。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、できる限り早い時期に研究期間全体の成果を総括する必要がある。本来であれば、2019年度2月に開催予定であったシンポジウムで領域メンバーや海外共同研究者等が一堂に会し、これまでの研究成果について検討を行い、領域全体としての結論を導く計画であった。しかし、既述の理由で延期となったため、新型コロナウィルスの状況が落ち着き次第、海外共同研究者と連絡を取り、シンポジウムを開催できるよう準備を進める。
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Causes of Carryover |
2019年度2月に計画したシンポジウムが新型コロナウィルスの影響で延期となったため、海外共同研究者招聘旅費等の支出を見送った。これらの助成金については、2020年度夏季を目途に、新型コロナウイルスの状況が落ち着き次第開催するシンポジウムの費用として使用する。
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Research Products
(34 results)