2020 Fiscal Year Research-status Report
ネオ・セルフの生成・機能・構造に対する国際活動支援
International Activities Supporting Group
Project Area | Creation, function and structure of neo-self |
Project/Area Number |
16K21731
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 満 徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 教授 (60221595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横須賀 忠 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10359599)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 免疫学的自己 / 国際共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究領域では、T細胞・B細胞の抗原認識機構の解明を基に、免疫学的自己の性状について研究している。すなわち、「ネオ・セルフ」抗原の生成、「ネオ・セルフ」抗原への免疫応答の個人差が、従来の「セルフ」対「ノン・セルフ」に基づく免疫応答以上に、個体ごとで異なるHLAの差異に基づく事実が明らかとなってきている点をふまえ、令和2年度においても、免疫応答におけるHLAの役割を明らかにしたいと考え活動に取り組んだ。その点において、本研究領域では国際的な活動が極めて重要で、「ネオ・セルフ」概念への到達のために免疫学のみならず、遺伝学、立体構造解析学など異分野の知見の統合が必要であり、集学的研究が世界規模で行われる必要性を実感しつつ研究を進めて来た。例えば、領域代表の松本が機能解析を行っているAire遺伝子は実際のヒトの病気の原因遺伝子であるが、我国にはほとんど患者が存在しないため、Aire欠損病態のヒトにおける解析は不可能である。そこで、Aire欠損症を多数管理している海外研究者と密接な情報交換や研究交流をもつよう務めた。特に最終年度に当たる今年度は、胸腺の研究者が一堂に会する国際KTCCと共同で国際シンポジウムを開催するようKTCC代表者と協議を進めていたが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、延期の運びとなった。本領域のプレゼンスを高めるべく国際活動を通じて我国の生命科学研究のプレゼンスをアピールしたかったのだが、ほとんど全ての活動が新型コロナウイルスの蔓延に伴い断念せざるをえなかった。新型コロナウイルスの終息を期待しつつ、若手研究者の海外活動を可能な方法を模索して支援してゆきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国際活動支援班のもっとも重要な役割は、班員の国際共同研究の支援にある。本研究領域では免疫学・立体構造解析学・遺伝学・イメージングといった幅広い分野において最先端の研究を行う研究者との人的交流が必要不可欠であり、国際活動支援を円滑に行うためには全ての班員が情報を共有し協議する必要がある。そのため、新たな国際活動支援事業を発案する研究者は領域内で作成した所定の書式に英文による申請書を準備し、班員全員による協議によって事業の可否を決定する体制を築いている。こうした点をふまえ、既に国際活動支援として若手研究者の派遣事業も実施しており、また上記のように6月にはHLA遺伝学で著名な外国人演者の講演会を開催して本領域の存在意義をアピールして来た。最終年度に当たる今年度は、胸腺の研究者が一堂に会する国際KTCCと共同で国際シンポジウムを開催するようKTCC代表者と協議を進めていたが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、延期の運びとなった。本領域の活動を令和3年度末まで延期することが出来たので、コロナウイルス感染の終息とともに積極的な国際活動支援計画を改めて展開してゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
国際共同研究を促進するため、以下の活動を行う計画を年度当初に立てた。1. 新たな共同研究の創出と発展のため、2年に1度の割合で、国際シンポジウムを開催する。最終年度にあたる令和2年度は本領域の総仕上げとして多数の外国人演者による講演会を開催予定であった。具体的にはT細胞および胸腺の研究者が一堂に会する国際KTCCと共同で国際シンポジウムを開催するようKTCC代表者と協議を進めていた。実際、令和3年3月の開催を計画していたが、新型コロナウイルスの蔓延により、延期せざるをえなかった。また、若手の会では海外で活躍する若手研究者を招聘し、 海外で研究を行うことの課題や解決方法についての講演を開催したいと考えたが、同様な理由により開催を断念した。当初、講演に先立って講演会の開催について領域内全体に周知し、希望者には個別にディスカッションする場も提供する計画であった。2. 日本発「ネオ・セルフ」を発信するため、大学院博士課程の学生などを先端的な研究を行う海外の研究所に派遣し、国際的視野をもった研究者の育成に尽力する計画であったが、新型コロナウイルスの蔓延により実現していない。3. 我国の「ネオ・セルフ」研究を世界中に浸透させてくれる海外研究者を受け入れる予定であったが、同じく実現出来なかった。4. 我国の国際的プレゼンスを維持・向上するために、本研究領域内の研究リソースを世界中に頒布する体制の整備については、コロナ禍においても着実に進めつつある。 以上のように、新型コロナウイルスの蔓延によりほとんどの国際活動が延期または中止となったが、新型コロナウイルス感染の終息に伴い、改めて当初目指した国際活動支援を進めてゆきたい。
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Causes of Carryover |
令和2年度には複数の国際活動支援計画がコロナウイルスの蔓延に伴い断念せざるを得なくなった。そのため、次年度使用額が生じた。令和3年度末までの研究期間延長を申請し、承認を得ることが出来た。それにより、コロナウイルス感染の終息とともに積極的な国際活動支援計画を展開したい。具体的には、今年度、T細胞および胸腺の研究者が一堂に会する国際KTCCと共同で国際シンポジウムを開催するようKTCC代表者と協議を進めていたが、国際KTCCが開催されない見込みであるため、令和4年度初期に可能であれば独自の国際シンポジウムを開催したい。すなわち、本領域の総仕上げとして外国人演者を含む講演会を開催したいが、全てはコロナウイルス感染状況次第である。いずれにしても、コロナウイルスの感染状況によって慎重に計画を練って使用する予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] A novel method to identify Post-Aire stages of medullary thymic epithelial cell differentiation2021
Author(s)
Pedro Ferreirinha, Camila Ribeiro, Junko Morimoto, Jonathan J. M. Landry, Minoru Matsumoto, Catarina Meireles, Andrea J. White, Izumi Ohigashi, Leonor Araujo, Vladimir Benes, Yousuke Takahama, Graham Anderson, Mitsuru Matsumoto, Nuno Alves
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Journal Title
European Journal of Immunology
Volume: 51
Pages: 311-318
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Aberrant type 1 immunity drives susceptibility to mucosal fungal infection2021
Author(s)
T Break, V Oikonomou, N Dutzan, J Desai, M Swidergall, T Freiwald, D Chauss, O Harrison, J Alejo, D Williams, S Pittaluga, C-C Lee, N Bouladoux, M Swamydas, K Hoffman, T Greenwell-Wild, V Bruno, L Rosen, W Lwin, A Renteria, S Pontejo, J Shannon, I Myles, P Olbrich, E Ferre, M Schmitt, D Martin, M Matsumoto, et al.
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Journal Title
Science
Volume: 371
Pages: 1-17
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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