2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Conquering cancer through neo-dimensional systems understanding |
Project/Area Number |
15H05907
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
高橋 隆 愛知県がんセンター(研究所), 総長, 総長 (50231395)
武藤 香織 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50345766)
小川 誠司 京都大学, 医学研究科, 教授 (60292900)
岡田 随象 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70727411)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | がん / システム生物学 / ゲノム科学 / バイオインフォマティクス / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
班会議及び総括班会議を外部諮問委員、学術調査官の出席のもとで、平成30年8月8日に東京大学医科学研究所一号館講堂で開催した。各計画研究及び公募研究の進捗状況・今後の研究計画について報告し、外部諮問委員、学術調査官から評価と助言を受けた。班会議の前日の8月7日には、ヒューマンネットワーキングのためにホテル雅叙園東京において「若いと思っている人の会」を開催した。13名の若手研究者が口頭での講演を行い、その後、ポスター発表の形式で懇談会を開いた。がんゲノミクスおよびシステムズバイオロジーにおける人材養成と国際連携のためにJoint Hong Kong-Japan Bioinformatics and Systems Biology Workshop (http://iwsg2018.hgc.jp/)を、平成30年11月19日にホテル雅叙園で開催した(白石友一、宮野悟企画)。また、最終年度に向けてInternational Society of Precision Cancer Medicine (ISPCM)に本領域として貢献することとした(稲澤譲治企画)。 アウトリーチ活動としては、ニュースレター(No.15~No.20)の編集を行い、公募研究のすべての紹介をすることとなった(公開は平成31年4月)。また、メディア等ではいくつかの記者発表(Nature, Nature Microbiology, Nature Communications等の論文について)を含め複数の発表を行った。 支援班活動としてはヒトゲノム解析センタースパコンSHIROKANEを使った「遺伝子ネットワーク解析実習講習会」、「がんゲノム解析Genomon2 Tutorial」、R の基礎及びR による統計解析 (遺伝子発現解析、遺伝子セット解析、シングルセル解析等)などのハンズオン講習を実施した。前年度に引き続き、遺伝統計学夏の学校(8月25日~27日)を大阪大学で開催した(岡田随象企画)。 総括班におけるELSIに関する活動としては、平成31年3月17日に総括班員によりこれまでの研究成果に基づいた議論を行った(武藤香織)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本総括班の計画の策定に従って、平成30年度の実績からわかるように、6つの計画研究は一体となって新たな学術領域を形成している。その成果は、各計画研究、公募研究から報告されている。ニュースレターについては、編集量の多さから、発行は平成31年4月となったが、6つのニュースレターの編集作業を行うことができ、これにより計画研究および公募研究のすべての紹介を行った。メディアへのアウトリーチも十分と考えている。岡田随象(総括班員・計画研究代表者)が企画した遺伝統計学夏の学校は前年度に引き続き大きな成功を収めた。 小川誠司(総括班員・計画研究代表)が、平成30年4月29日に、腫瘍学研究における貢献により紫綬褒章を授与された。前新学術領域「システムがん」と本領域「システム癌新次元」による貢献が大きいと考えている。また、高橋隆(総括班員・計画研究代表)は、名古屋大学医学研究科におけるシステム生物学講座の創設に貢献し、また、愛知県がんセンター総長に就任してからは、センター研究所にシステム解析学分野を創設し、本領域からの人材をリクルートするなど、人材の養成においても大きく貢献した。 総括班による支援活動は、ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータを使い、前項目に述べたように基礎からハンズオンまでを実施した(宮野悟)。 平成31年度は最終年度となるが、平成31年3月17日に開催した総括班員による会議において、稲澤譲治(総括班員・計画研究代表者)は、2020年のISPCM2020を企画し、また、武藤香織(総括班員・計画研究代表者)は最終年度にELSIに関するアウトリーチセミナーを未来科学館で開催することを企画した。 以上、総括班としてはその企画及び実施において十分な成果をあげており、進捗は良好であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
総括班会議を開催して研究進捗状況を把握し、本領域の開始時点からの内部評価とともに、外部の有識者による諮問委員会による評価と助言を受け、本領域の最終的なゴールへ向けていく。最終年度の令和元年度は領域内の成果および領域外への波及効果をとりまとめ、本領域を創設した意義について総括する。そのために、まず令和元年8月9日に班会議、総括班会議、外部諮問委員会を開催する。また国内外のシンポジウム等への参加・開催によって、計算システム生物学研究者、がん研究者、ELSI研究者が相互に理解を深め、有機的に連携・共同研究を構築する機会を一層発展させる。特に、本領域として国際シンポジウムを開催する。領域外のがん研究者、バイオインフォマティクス研究者、人文系研究者に対して、この新次元へと深化していく本領域の魅力と科学的・社会的インパクトを積極的に伝えて啓発しこの新しい学術領域を我が国に定着させる。アウトリーチ活動としては、各種メディアへのアクセスを継続的に行うとともに、一般を対象としたELSIに関する公開講座とがんの新たな理解に関する公開講座を開催する。 研究支援班の活動として、スパコンを使った大規模データ解析、システム生物学的な解析技術の講習会の開催、情報解析支援の調整などを継続し、本領域終了後においてもこの活動が定着するように目論む。この支援機能と調整機能に基づき、宮野、岡田(人工知能・数理・情報・統計的遺伝学)、稲澤、小川、高橋(実験系)は、がん研究に限らずこれからの生命科学を世界トップレベルで推進できる能力を有する人材育成の輩出に努める。武藤はがんELSI研究を遂行し、また、本領域全体のELSIを支える。そして、がん研究、人工知能・数理・情報、ELSIという三つの異分野を融合した学術領域を定着させていく。
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Research Products
(9 results)